カートは空です。
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東アジア地域の文化史において、かつてそこに漢字が共有されたことの意味の深さは計り知れない。また、漢語・漢文によって綴られた書物、すなわち漢籍の伝播は各地域の文化形成に最大級の影響作用をもたらしたのであった。それでは漢籍は日本にどのように伝わり、またそこに何を生み出したのか。専ら漢字による著述が行われていた奈良時代、そして奈良という場にスポットをあて、漢籍を基軸としてさまざまな方面へと派生し広がりゆく知の世界を多面的かつ重層的に描き出す。
河野貴美子(こうの・きみこ)1964年生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専門は日中古典学、和漢比較文学。著書に『日本霊異記と中国の伝承』(勉誠社、1996年)、共編著に『東アジア世界と中国文化―文学・思想にみる伝播と再創―』(勉誠出版、2012年)がある。王勇(おう・ゆう)1956年生まれ。北京大学中国語言文学系教授、浙江工商大学日本文化研究所所長・教授、早稲田大学日本宗教文化研究所招聘研究員。専門は中日文化交流史、日本古代史。著書に『聖徳太子時空超越』(大修館書店、1994年)、『唐から見た遣唐使』(講談社、1998年)、『中国史のなかの日本像』(農文協、2000年)、『おん目の雫ぬぐはばや―鑑真和上新伝』(農文協、2002年)などがある。