ナガサキトウザイブンカコウショウシノステージ ゲカン

長崎・東西文化交渉史の舞台 下巻

明・清時代の長崎/支配の構図と文化の諸相
若木太一 編
ISBN 978-4-585-22064-0 Cコード 1020
刊行年月 2013年9月 判型・製本 A5判・上製 520 頁
キーワード 美術,文化史,交流史,宗教,日本語,東アジア,日本史,近世

定価:6,600円
(本体 6,000円) ポイント:180pt

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書籍の詳細
近世長崎から垣間見る新たな歴史像

西の果て、長崎。江戸より遠く離れたこの辺境の地に、徳川幕府は東西交流の舞台(ステージ)を設けた。その舞台を流れる時間は、ポルトガル時代、オランダ時代そして明・清交代期というもう一つの歴史年表で描かれるべき時空であった。

江戸と中国、朝鮮と琉球をつなぐ円の中心に位置し、東シナ海における当時の国際交流の中心地であった長崎という「場」に着目、人・モノ・文化の結節点において紡がれた歴史・文化の諸相を描き出す。

本冊では、黄檗文化をもたらした明清時代の中国との交流、そして、幕府による長崎という場の支配、その中で培われた異文化交流の諸相を取り上げる。

 

 

目次
序 言

第一部 明・清時代の長崎
王直、鄭成功と朱舜水 徐興慶
朱舜水の思想―明末思想との関連から― 荒木龍太郎
近世渡来人の系譜―『訳司統譜』から― 若木太一
【コラム】近世長崎貿易における唐通事と唐船主 劉序楓
唐寺と唐僧 原田博二
隠元渡来と佐賀藩 井上敏幸
黄檗禅林の書画 錦織亮介
【コラム】黄檗禅林の建築と彫刻 錦織亮介
トンキン通事魏龍山『訳詞長短話』に見る長崎・対外交渉の軌跡 髙山百合子
明清楽の伝来と流行 中尾友香梨
【コラム】木下逸雲「長崎清譚会」―書画雅宴― 植松有希

第二部 支配の構図と文化の諸相
幕府の長崎支配と有事対応 松尾晋一
「犯科帳」―長崎奉行の法概念― 安高啓明
漂着唐船と長崎 藪田貫
密貿易とともに生きる―もう一つの「鎖国」貿易史― 添田仁
【コラム】大田南畝の長崎探索―市内にのこる南畝ゆかりの石碑― 中島貴奈
書物改め―春徳寺と長崎聖堂― 若木太一
南蠻醜類榜―唐館前史から明治の吉利支丹まで― いしゐのぞむ
聖堂儒者の人と思想―南部草寿伝略― 川平敏文
【コラム】「長崎先民伝」の群像 高橋昌彦
【コラム】『長崎古今集覧』と『長崎名勝図絵』 越中哲也
海港がはこぶ新しい文学―中国古典文学と九州― 静永健
貝原益軒と朝鮮の文献 大庭卓也
【コラム】『長崎歳時記』 越中哲也
【コラム】「長崎土産」三題 若木太一
プロフィール

若木太一(わかき・たいいち)
1942年生まれ。長崎大学名誉教授。専門は近世文学・長崎学。
編著に『長崎聖堂祭酒日記』(藪田貫と共編、関西大学東西学術研究所、2010年)、論文に「唐通事林道栄の生活と文事―雅俗訳通―」(『国語と教育』32号、2007年11月)、「長崎の儒学と国学」(『新長崎市史』第2巻近世編・第8章2節、長崎市、2012年)などがある。

書評・関連書等

「長崎新聞」(2013年12月22日)にて、本書の紹介文が、編者の若木太一氏のインタビューとともに大きく掲載されました。

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