アキサトリトウトキンセイチュウコウキノカミガタシュッパンカイ

秋里籬島と近世中後期の上方出版界

藤川玲満 著
ISBN 978-4-585-22107-4 Cコード 3021
刊行年月 2014年11月 判型・製本 A5判・上製 384 頁
キーワード 出版,古典,日本史,江戸,近世

定価:9,350円
(本体 8,500円) ポイント:255pt

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書籍の詳細
「人」と「知」の織りなす出版文化史

文運東漸を経た上方の文壇・出版界に一つのベストセラーが誕生した。秋里籬島による『都名所図会』である。同書は博引旁証かつ平明な解説記事に、「図会」として精密な俯瞰図と風俗画の挿絵を多数取り入れるという斬新な形式によって大きな成功を収め、後世に至るまで繰り返し板を重ねていった。
しかし、この出版文化史上の一時代を築いた名所図絵の類は、既存の所謂「文学」ジャンルの範疇では捉え難いものとして、これまで深く研究が為されることはなく、作者・秋里籬島についても、その伝記研究を含め、多くが検証されないままにおかれていた。
本書では、この諸ジャンルの複合体としてある『都名所図会』の作者・秋里籬島の伝記・著作を多角的に検討することにより、同時代の文壇との接点や交遊、執筆活動を支えた書肆との関わりなどの人的ネットワーク、そして著作の背景にある同時代的な「知」の基盤を浮き彫りにし、変動期の上方における文化的状況と文芸形成の動態を明らかにする。

 

 

目次
序論  秋里籬島と近世中後期の上方出版界

第一部 籬島の伝記、文学活動と文化圏
 第一章 籬島の伝記―『秋里家譜』から
 第二章 籬島の俳諧活動
 第三章 『天橋立紀行』に見る交遊圏
 第四章 吉野屋為八の出版活動
 第五章 俳人三居庵古音小考
 第六章 名所図会をめぐる書肆の動向

第二部 知の基盤と著作の形成・出版
 第一章 『信長記拾遺』考
 第二章 『忠孝人竜伝』考
 第三章 『都名所図会』『拾遺都名所図会』考
 第四章 『京の水』考
 第五章 『大和名所図会』考
 第六章 『東海道名所図会』考
 第七章 『蓮如上人御旧跡絵抄』の周辺

結語

付篇 秋里籬島年譜稿

初出一覧
あとがき
索引(人名・書名)
プロフィール

藤川玲満(ふじかわ・れまん)
1977年生まれ。専攻は日本近世文学。
2000年お茶の水女子大学文教育学部卒業。2008年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了。博士(人文科学)。
現在、ノートルダム清心女子大学文学部准教授。

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