かつて東アジアに展開した文化史上の重要概念である「文」の解体、そして、西欧との出会いによりもたらされた「文学(literature)」への移行は、東アジア全体に及ぶ大きなパラダイム転換であった。そして現在、「文学」「人文学」の枠組みそのものが問い直されるに至っている。
これら転回の画期に、いったいどこで、何が起こっていたのか。【近世化】【近代化】という社会・文化の大変革の時期における「文」そして「文学」のありようを広く東アジア世界に探り、「文」の概念史を描き出すことで、現在そして未来へと続く「知」と「文化」の継承と展開への視点をしめす。
これからの人文学を切り拓く新たな視角【近世化】【近代化】を経て【現代】へと―東アジア世界における「文」の概念はいかに変容・展開していったのか。
日中韓そして欧米における48の知を集結し、描き出される初めての東アジア比較文学史。