モノガタリブンガクノショソウトテンカイ

物語文学の諸相と展開

中野幸一 著
ISBN 978-4-585-39000-8 Cコード 3095
刊行年月 2021年3月 判型・製本 A5判・上製 544 頁
キーワード 古典,平安,中古

定価:13,200円
(本体 12,000円) ポイント:360pt

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書籍の詳細
平安文学研究の大家による提言や試論を集めた必読の一書

『源氏物語』『うつほ物語』『堤中納言物語』などの物語史を検証。
また、緻密な文章表現の分析により、物語世界に新たな解釈を提示する。
『平家公達草紙』『しづくににごる物語』『下燃物語』『すもり物語』『しら露物語』など新出の物語文学資料に関する論考も充実。

 

 

目次
はじめに

古代物語の系譜と類別―物語史の検証―
前期物語の性格―物語史の検証―
長編物語の成立をめぐって(講演)
古物語の合成発展―短編から長編へ―
『うつほ物語』の成立年代―史実・歳事・風俗上からの考察―
『うつほ物語』の叙述の方法―長編物語への試み―
『うつほ物語』の構造
『源氏物語』の一回性人物―その消滅型と再生型―
『源氏物語』の「かざり」について
『源氏物語』の表現方法―短文表現と再叙表現―
『源氏物語』の遡及表現
『源氏物語』の依存表現
『源氏物語』における強調・感動・傍観の草子地
『源氏物語』における「夕ばえ」の解釈について
猪苗代兼載『源氏一部抜書』の資料的価値
「物語のいできはじめのおや」考―『竹取物語』の文学史上の地位―
「源氏取り」の物語の方法
草子地攷
『紫式部日記』の時間的構造―その回想と執筆時期について―
『堤中納言物語』の形態とその編纂意図
『堤中納言物語』をめぐっての試論―はたして短編物語集か―
六条斎院禖子内親王家の「物語合」について―その発見時の成果の再吟味―
書陵部蔵の佚名物語一巻について―『平家公達草紙』の残欠か―
『平家公達草紙』をめぐって
『しづくににごる物語』考
『下燃物語』の残欠絵巻について―後期物語の新出資料―
『すもり物語』覚書
『しら露物語』考

初出掲載誌
プロフィール

中野幸一(なかの・こういち)
早稲田大学名誉教授。文学博士。専攻は平安文学。2011年瑞宝中綬章受章。
主な編著書に『物語文学論攷』(教育出版センター、1971年)、『うつほ物語の研究』(武蔵野書院、1981年)、『奈良絵本絵巻集』全12巻別巻3巻(早稲田大学出版部、1987~1989年)、『常用源氏物語要覧』(武蔵野書院、1995年)、『源氏物語古註釈叢刊』全十巻(武蔵野書院、1978~2010年)、『フルカラー 見る・知る・読む 源氏物語』(勉誠出版、2013年)、『ちりめん本影印集成 日本昔噺輯篇』(共編、勉誠出版、2014年)、『正訳 源氏物語 本文対照』全十冊(勉誠出版、2015~2017年)、『正訳 紫式部日記 本文対照』(勉誠出版、2018年)などがある。

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