シガクカノヒカクシ

史学科の比較史

歴史学の制度化と近代日本
小澤実・佐藤雄基 編
ISBN 978-4-585-32017-3 Cコード 3020
刊行年月 2022年5月 判型・製本 A5判・並製 608 頁
キーワード 教育,日本史,近代

定価:7,700円
(本体 7,000円) ポイント:210pt

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書籍の詳細
私たちの社会と歴史との関係のあり方はどのように形作られてきたのか。その淵源を探る

近代日本に大学が創設されたころ、西洋の制度を取り入れるなかで、各大学に歴史学を学ぶ「史学科」が設置された。
近世以来の国学・漢学・洋学・宗教学の系譜、当該大学の置かれた場と地域固有史料との関係など、それぞれ固有の背景のもと、各「史学科」は独自の理念や方向性のもとで展開し、近代日本の学的世界を形成した。
そして、それらは現在まで受け継がれ、私たちの社会と歴史との関係のあり方をも規定している。
帝国大学、植民地・外地の大学、官立大学、私立大学より13の特筆すべき大学・機関を抽出。
修史事業の開始した1869年から1945年に至るまでの、帝国日本における史学科・研究機関の歴史をたどる。
比較史的アプローチより近代社会における史学科の展開と特徴を明らかにする画期的成果。

 

 

目次
序章―史学科をめぐるヒストリオグラフィー 小澤実・佐藤雄基

第Ⅰ部 帝国大学
[第一章 東京帝国大学]
東京帝国大学における史学と国史―史料編纂事業との関わりと卒業生進路から 佐藤雄基

[第二章 史料編纂所]
史料編纂所の歴史家たち―相田二郎を中心に 近藤成一

[第三章 京都帝国大学]
草創期の京都帝国大学国史学の特質―時期区分論と世界史 上島享

[第四章 東北帝国大学]
創設期の東北大学日本史研究室 柳原敏昭

[第五章 九州帝国大学]
九州帝国大学法文学部における歴史学 山口輝臣

第Ⅱ部 植民地・外地の大学
[第六章 京城帝国大学・台北帝国大学・建国大学]
京城帝国大学法文学部の史学系講座とその歴史学研究―台北帝大、満洲・建国大学との比較的視点を踏まえた考察 永島広紀

第Ⅲ部 官立大学
[第七章 商科大学:東京商科大学(一橋大学)]
東京商科大学における日本史教育 夏目琢史

[第八章 旧師範学校:広島文理大学(広島大学)]
広島文理科大学・広島高等師範学校における歴史学 石田雅春

第Ⅳ部 私立大学
[第九章 早稲田大学]
早稲田大学史のなかの歴史学 廣木尚

[第十章 慶應義塾大学]
独立自尊の歴史学―田中萃一郎と三田史学の展開 堀和孝

[第十一章 立教大学]
小林秀雄の時代―戦前戦中の立教史学科、史学会、『史苑』 小澤実

[第十二章 龍谷大学]
大正・昭和戦前期の龍谷大学史学科―その沿革と学風 坂口太郎

[第十三章 皇典講究所・國學院大學]
近代国学と国史学―國學院大學の国史学科と国史学会 藤田大誠

終章 史学科の比較史へ 佐藤雄基・小澤実

関連年表
執筆者紹介
人名索引
プロフィール

小澤 実(おざわ・みのる)
1973年生まれ。立教大学文学部教授。専門は西洋中世史・北欧史・史学史。
著書に『北西ユーラシアの歴史空間』(長縄宣博共編著、北海道大学出版会、2016年)、『近代日本の偽史言説―歴史語りのインテレクチュアル・ヒストリー』(編著、勉誠出版、2017年)などがある。

佐藤雄基(さとう・ゆうき)
1981年生まれ。立教大学文学部教授。専門は日本中世史・史学史。
著書に『日本中世初期の文書と訴訟』(山川出版社、2012年)、『明治が歴史になったとき―史学史としての大久保利謙』(編著、勉誠出版、2020年)、論文に「文書史からみた鎌倉幕府と北条氏―口入という機能からみた関東御教書と得宗書状」(『日本史研究』667、2018年)、「「史料論の時代」における古文書学の可能性」(『増補改訂新版 日本中世史入門―論文を書こう』勉誠出版、2021年)などがある。

書評・関連書等

★書評・紹介★
「週刊読書人」(7月22日、4面)「上半期の収穫から」にて紹介されました。
 →紹介者:長﨑健吾氏
「史学雑誌」第132編第7号(2023年7月20日)「新刊紹介」欄にて紹介されました。
 →紹介者:松岡昌和氏

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