国家間で交わされる文書、国書――。
その形式的特徴は冒頭の書式に鮮明に現れる。しかし、書式が丁寧であっても内容が強硬な場合もあり、特に唐と異民族との間に交わされた国書については、冒頭と内容との関係に留意しながら読み解いていくことが肝要である。
じゅうらい盛唐の玄宗朝までの唐代国書の研究に取り組んできた著者は、本書では唐の勢いが次第に傾いていく唐代後半の国際関係の動きと重ね合わせつつ、白居易・陸贄(りくし)・李徳裕・封敖(ほうごう)が残した国書など、内容の伝わる同時期の国書ほぼすべてを丹念に読み解く。そこからは唐の朝廷と有力な異民族の有力者との遣り取りや、辺境における唐の官僚と異民族との駆け引きを如実に窺うことができる。
※本書は『唐代国書文書研究補遺―陸贄・白居易・李徳裕・封敖の国書』(私家版、2023年3月)を増補改訂したものです。