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高麗の普覚国尊一然(イルネン)が、その最晩年に編んだ『三国遺事』は、十三世紀末の朝鮮半島に流布していた神話や説話の宝庫である。巫俗文化の古い要素と、一然の時代の仏教思想を反映した新しい要素が幾重にも重なる『三国遺事』をどう検証すべきか。その構成や特性、神仏習合としての視点、日本の神話や琉球の伝承との比較など様々な方面から『三国遺事』を捉え直す。近代以降築かれてきた日韓の学問の壁を越え、両国の研究者が探る『三国遺事』研究の現在。