ブッキョウブンメイトセゾクチツジョ

仏教文明と世俗秩序

国家・社会・聖地の形成
新川登亀男 編
ISBN 978-4-585-21026-9 Cコード 3015
刊行年月 2015年3月 判型・製本 A5判・上製 616 頁
キーワード 仏教,宗教,アジア

定価:10,780円
(本体 9,800円) ポイント:294pt

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書籍の詳細
異文明との出会いが世界を構築する

前近代の日本、そしてアジアにもたらされた最大のグローバリゼーション。
それを惹起したのは「仏教」であった。
仏教という異文明との遭遇は、文字・言語、造形・技術、思想・宗教、世俗秩序等、あらゆる文明の展開と関わり、また、社会に共生と差異の可能性を胚胎させた。
人類の歴史が経験してきた「仏教」という参照軸から、世界の形成と構築のメカニズムを考えるための百科全書的論集。

仏教という異文明との遭遇は、世界の構築にどのような影響をもたらしたのか。
仏教が浸透していくことで生じた世俗秩序や諸宗教・民俗儀礼などとの交差や融合をとらえ、仏教による世界の共生と差異化のメカニズムを描き出す。

 

 

目次
序言 新川登亀男

第一部 国家・社会と仏教
インド亜大陸の社会と仏教 古井龍介
新発見の仁寿元年の交州舎利塔銘について ファム・レ・フイ
大理仏教―インド仏教と中国仏教の二重構造 侯冲(張勝蘭・訳)
高麗時代の王室と華厳宗 南東信(赤羽目匡由・訳)
倭の入隋使(第一回遣隋使)と倭王の呼称―『隋書』倭国伝を読み直す 新川登亀男
弘法大師の成立―真言宗の分裂と統合 川尻秋生

第二部 聖地の構築と人びとの移動
中国・山西太原の政治文化的背景―旧太原城の自然・交通・地政学的位置 石見清裕
天龍山石窟の早期窟の造立について―石窟の造立と高斉政権の構築 葛継勇
天龍山勿部珣功徳記にみる東アジアにおける人の移動 李成市
隋開皇四年銘天龍山石窟第八窟の意義 森美智代

第三部 守護と対敵
退敵の毘沙門天像と土地の霊験説話―唐末五代期の毘沙門天像の位置づけをめぐって 大島幸代
「対敵」の精神と神仏の役割―古代日本の事例に着目して 長岡龍作
境界世界の仏法―四天王法の広まりと四天王寺の変容 三上喜孝
羽黒権現・軍荼利明王の成立について 長坂一郎
勝軍地蔵の八〇〇年―南九州における軍神信仰の展開 黒田智

第四部 信仰と習俗の複合化
「視日」再考 工藤元男
道教の出家戒の成立と継承 森由利亜
霊(たま)からカミヘ、カミから神へ 高橋龍三郎
七、八世紀における文化複合体としての日本仏教と僧尼令―卜相吉凶条を中心に 細井浩志
日本古代の仏教祈雨儀礼―請雨経法の受容と展開を中心に 山口えり

あとがき 新川登亀男
プロフィール

新川登亀男(しんかわ・ときお)
1947年生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専門は、日本古代史。
著書に『日本古代の対外交渉と仏教』(吉川弘文館)、『日本古代の儀礼と表現』(吉川弘文館)、『聖徳太子の歴史学』(講談社)など多数。

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