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平安時代初頭、勅撰漢詩集が編まれた嵯峨・淳和帝の時代、「漢」風の宮廷文化を積極的に取り入れ、一方で「和」すなわち前代にさかんに詠まれた和歌の文化が公の場から退いたその時代は、国文学史において「国風暗黒時代」と評されている。しかし、一般的に考えられているように、「漢風」と「和風」は、はたして互いに対立し否定しあうものとしてあったのであろうか。通説を捉え返し、嵯峨朝の文化的・社会的特質と諸相を再検証することで、日本古代の「漢」文化の咀嚼と内在化の歴史を探る。
北山円正(きたやま・みつまさ)神戸女子大学教授。専門は平安文学。著書に『菅家文草注釈 文章篇』第一冊(共著、勉誠出版、2014年)、『平安後期歌書と漢文学』(共著、和泉書院、2014年)などがある。新間一美(しんま・かずよし)元京都女子大学教授・京都女子大学非常勤講師。 専門は平安朝仮名文学における漢詩文受容。主な著書に『平安朝文学と漢詩文』(和泉書院、二〇〇三年)、『源氏物語と白居易の文学』(和泉書院、2003年)、『源氏物語の構想と漢詩文』和泉書院、2009年)などがある。滝川幸司(たきがわ・こうじ)京都女子大学文学部教授。専門は平安文学。主な著書に『天皇と文壇 平安前期の公的文学』(和泉書院、2007年)、『菅原道真論』(塙書房、2014年)、『菅家文草注釈 文章篇』第一冊』(共著、勉誠出版、2014年)などがある。三木雅博(みき・まさひろ)梅花女子大学教授。専門は日中比較文学・平安朝文学。主な著書に『和漢朗詠集とその享受』(勉誠出版、1995年)、『平安詩歌の展開と中国文学』(和泉書院、1999年)、『和漢朗詠集 現代語訳付き』(角川ソフィア文庫、2013年)などがある。山本登朗(やまもと・とくろう)関西大学文学部教授。専門は日本文学(特に平安時代の文学とその享受史)。主な著書に『日本漢詩人選集1 菅原道真』(小島憲之と共著、研文出版、1998年)、『伊勢物語論 文体・主題・享受』(笠間書院、2001年)、『伊勢物語の成立と享受 1・2』(編著、竹林舎、2008〜2010年)などがある。