クワガタケイサイガ キンセイショクニンツクシエコトバ

鍬形蕙斎画 近世職人尽絵詞

江戸の職人と風俗を読み解く
大高洋司・大久保純一・小島道裕 編
ISBN 978-4-585-27038-6 Cコード 1071
刊行年月 2017年2月 判型・製本 菊倍判・上製 224 頁
キーワード 美術,文化史,江戸,近世

定価:16,500円
(本体 15,000円) ポイント:450pt

数量 :
remove add
書籍の詳細
働く人々が躍動する超一級の江戸風俗図鑑

北斎と並び称される浮世絵師・鍬形蕙斎(くわがたけいさい)が描き、詞書は戯作の名手、大田南畝・手柄岡持(朋誠堂喜三二)・山東京伝が担当、江戸の町に生きる多種多様な職人たち総勢103種を活写した肉筆絵巻の傑作。松平定信旧蔵にかかる名品全篇をフルカラーで掲載し、文学・歴史・美術史・民俗学など諸分野の協力による詳細な絵解・注釈・論考を収載。近世文化研究における基礎資料。


【本書の特長】
・東京国立博物館所蔵『近世職人尽絵詞』全三巻を全篇フルカラー影印。全篇のカラー公開は史上初。
・場面理解を助けるために詞書の翻刻と詳細な場面解説・註釈・論考・コラムを附した。
・場面解説・注釈は足掛け9年間の共同研究の成果。総勢23名の研究者の知見を結集、多面的に江戸の職人・風俗のあり方を照らし出している。
・3本の解説と10本のコラムを収載。日本美術史・歴史学・文学・文化人類学などの観点から当絵巻の見どころを解説。

 

 

目次
まえがき

目次
書誌解題・凡例


上 巻
上―1 大工
上―2 屋根葺き
上―3 畳屋
上―4 左官
上―5 地衝・石工
上―6 寺子屋
上―7 呉服屋(駿河町越後屋)
上―8 魚市(日本橋)
上―9 刀鍛冶
上―10 仏師
上―11 縫箔屋・仕立師
上―12 表具師
上―13 米搗き(拝搗き)・町芸者
上―14 米搗き(唐臼踏み)・馬子
上―15 歯磨売り(松井源水)
上―16 車引き・雪駄直し・盲人
上―17 銭湯
上―18 夜鷹・夜蕎麦売り
上―19 跋文

中 巻
中―1 序文
中―2 炭団屋・車作り・竹馬布売り・箍屋
中―3 南京操・楊弓・「おででこでん」・楊枝屋
中―4 鍔師・欄間師
中―5 花火(隅田川・両国)
中―6 木挽・川並・付木作り
中―7 傘提燈屋・油売り・相撲・触太鼓
中―8 神楽・神主・覗からくり・「蝶々も止れ」・シャボン玉売り・「焼鍋の席画」・読売
中―9 板木師・木彫師・人形師・印判師
中―10 琴三味線屋・検校・座頭・籠作り
中―11 豆腐屋・蒲鉾屋
中―12 居酒屋・鰻屋
中―13 鋳物師・煙管張り・金具師
中―14 歌舞伎興行
中―15 書画会
中―16 煙草屋・猿回し・袋物屋・革煙草入れ作り・合羽作り
中―17 跋文

下 巻
下―1 太神楽
下―2 角兵衛獅子・医者・万歳
下―3 蚊帳売り・枇杷葉湯売り・鍋鋳掛・羅宇屋
下―4 干し店(古書画売り・古金物売り)・錠前直し・髪結床
下―5 四文屋・鯣屋・天麩羅屋
下―6 音曲稽古所
下―7 歯磨売り(松井屋源左衛門)
下―8 心太売り・念仏飴売り・屋台の飴売り・甘酒売り
下―9 紺屋・型染め
下―10 砧打ち・名山講中・蝋燭掛け・卵売り
下―11 年の市(浅草寺)
下―12 引摺餅・節季候
下―13 吉原(遊郭)
下―14 深川(岡場所)

外函・巻姿


解 説
「近世職人尽絵詞」―江戸賛歌とその背景― 小島道裕
鍬形蕙斎の画業と「近世職人尽絵詞」 大久保純一
「近世職人尽絵詞」の詞書―伝統と当世― 大高洋司

コラム
中世絵巻に描かれた建築と職人 水野僚子
海北友雪筆『東北院職人歌合』絵巻と「職人絵尽」画帖 石澤一志
経師の仕事―打紙― 橋口侯之介
琴三味線屋と琵琶法師 伊藤悦子
ゆづり葉感心に存候―芭蕉と其角と京伝と― 稲葉有祐
風俗画資料としての享保絵俳書 真島望
『都名所図会』における風俗描写の着想 藤川玲満
夜鷹―柳原土手の昼と夜― 横山百合子
江戸のたばこ 湯浅淑子・西田亜未
描かれた轆轤 木村裕樹

あとがき
執筆者一覧
プロフィール

大高洋司(おおたか・ようじ)
1950年生まれ。国文学研究資料館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授。
専門は日本近世文学。
著書に『京伝と馬琴―〈稗史もの〉読本様式の形成―』(翰林書房、2010年)、論文に「〈職人尽〉と京伝読本」(『文学』1714、岩波書店、2016年)などがある。

大久保純一(おおくぼ・じゅんいち)
1959年生まれ。国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授。
専門は日本近世絵画史。
著書に『広重と浮世絵風景画』(東京大学出版会、2007年)、『カラー版 浮世絵』(岩波新書、2008年)、『浮世絵出版論―大量生産・消費される〈美術〉―』(吉川弘文館、2013年)などがある。

小島道裕(こじま・みちひろ)
1956年生まれ。国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授。
専門は日本中近世史。
著書に『戦国・織豊期の都市と地域』(青史出版、2005年)、『信長とは何か』(講談社、2006年)、『洛中洛外図屏風―つくられた〈京都〉を読み解く―』(吉川弘文館、2016年)などがある。

関連商品

この商品をお求めのお客様はこんな商品もお求めです。

おすすめ

  [詳細]
戦後出版文化史のなかのカストリ雑誌

戦後出版文化史のなかのカストリ雑誌

石川巧 編集代表/カストリ雑誌編集委員会 編
定価:3,080円
(本体 2,800円)
図書館員をめざす人へ 増補改訂版

図書館員をめざす人へ 増補改訂版

後藤敏行 著
定価:2,640円
(本体 2,400円)
新装版 正訳 紫式部日記 本文対照

新装版 正訳 紫式部日記 本文対照

中野幸一 訳
定価:2,420円
(本体 2,200円)
ハナシ語りの民俗誌

ハナシ語りの民俗誌

川島秀一 著
定価:3,520円
(本体 3,200円)
ショッピングカート