セイショウナゴンデン

清少納言伝

中宮定子讃仰と鎮魂の生涯
上原作和 著
ISBN 978-4-585-39046-6 Cコード 1095
刊行年月 2024年11月 判型・製本 A5判・並製 416 頁
キーワード 古典,日本史,平安,中古

定価:5,940円
(本体 5,400円) ポイント:162pt

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書籍の詳細
謎多き才女の実像に迫る本格評伝

清少納言はなぜ『枕草子』を書いたのか。
中宮定子への忠誠心とはいかなるものだったのか。
紫式部とは仲が悪かったのか。
多彩な史料・文献を駆使して、幼少時代、恋愛と結婚、宮廷生活、長徳の変の伊周と高階明順の逃亡への関与、晩年の隠棲地のほか、『枕草子』の成立と享受について14の新見解を提示し、その波乱に満ちた生涯と人物像に迫る。
和歌・漢文日記等に読みやすい現代語訳、専門用語に注記を付した。

 

 

目次
はじめに
第一章 なぜ清少納言は『枕草子』を書いたのか
 一 『枕草子』への招待 連想の展開と思考リズムの表象 
 二 『枕草子』の「森」と「物語」 
 三 『枕草子』のなりたち
 四 『枕草子』の同時代読者

第二章 『枕草子』受容の前近代と近代
 一 清少納言批評史と池田亀鑑
 二 結節点の一九七〇年代
 三 清少納言受難時代
 四 清少納言像の現代

第三章 清少納言前史
 一 村上の御時
 二 安和の変
 三 寛和の変

第四章 中関白家の栄華と長徳の変
 一 円融院の御果ての年
 二 長徳の変
 三 職曹司時代
 四 定子の出産と死

第五章 清少納言の家系 
 一 清原氏と『うつほ物語』
 二 清少納言のお気に入り―附『うつほ草紙』解説
 三 清原深養父
 四 父清原元輔
 五 歌人としての評価
 六 清原致信
 七 清少納言の生い立ち
 八 肥後の元輔
 九 清少納言の初出仕
 十 清少納言の女性観
 十一 清紫二女の容姿自認
 十二 橘則光との初婚
 十三 藤原棟世との再婚
 十四 上東門院女房小馬命婦
 十五 藤原実方、そして四納言( 斉信関連章段 行成関連章段)
 十六 紫式部と『源氏物語』

第六章 枇杷殿時代―紫式部と対峙する
 一 清少納言、後宮復帰説
 二 清少納言と和泉式部

第七章 清少納言の同母兄・清原致信暗殺事件
 一 事件の概要
 二 『うつほ物語』と荘園領主、預、郷党たち
 三 『源氏物語』と荘園領主、預、郷党たち

第八章『無名草子』の清少納言伝承と伝能因所持本の成立
 一 『無名草子』の清少納言伝
 二 清少納言伝承の読み方

第九章 清少納言伝における〈つきのわ〉
 一 定子薨去後の動静
 二 勧学会と月林寺
 三 北嶺(比叡山)と西山 
 四 愛宕山と中関白家
 五 『源氏物語』「東屋」巻と月輪寺、空也上人
 六 もうひとつの縁起『月輪寺略縁起』

コラム 在原業平遠近宮と武蔵野の古典文学

第十章 清少納言の末裔 「小馬がさうし」の読者圏
 一 清少納言と紫式部
 二 清少納言の近親
 三 清少納言ととその娘 
 四 「こまがさうし」の意味
 五『枕草子』の読者たち

附篇一 『枕草子絵巻』の世界
附篇二 冷泉家本『清少納言集』訳注


自跋

附録
『清少納言伝』を読むためのふたつの覚書
『清少納言伝』を読むための人物誌 
女房一覧
『枕草子』年表
プロフィール

上原作和(うえはら・さくかず)
1962年長野県佐久市生まれ。大東文化大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学-名古屋大学)。現在、桃源文庫理事。明治大学法学部兼任講師。
主な研究テーマ・文献史学、日本琴學史、物語文学。
主著に『光源氏物語の思想史的変貌―〈琴〉のゆくへ』(有精堂出版、1994年)、『光源氏物語學藝史―右書左琴の思想』(翰林書房、2006年)、『光源氏物語傳來史』(武蔵野書院、2011年)、共編著に『人物で読む源氏物語/全20巻』(勉誠出版、2005~2006年)、『完訳太平記/全4巻』(勉誠出版、2007年)、『テーマで読む源氏物語論/1~3巻』(勉誠出版、2008年)、『日本琴學史』(勉誠出版、2016年)、『古典文学の常識を疑う』(勉誠出版、2017年)、『古典文学の常識を疑うⅡ』(勉誠出版、2019年)、『紫式部伝―平安王朝百年を見つめた生涯』(勉誠社、2023年)などがある。

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