『源氏物語』を絵画化した作品である源氏絵は、平安時代から現代に至るまで数多く制作された。
これらは、歴史上、天皇や公家、武家、あるいは寺院の僧侶たちの私的な空間を彩る絵であったため、彼らの生活を知るためには、欠くことのできない作品である。
そして、その制作には土佐派や狩野派などさまざまな流派が関わり、流派を超えた同時代の潮流や、あるいは時代を超えた流派ごとの様式展開を知るための重要な作例でもある。
絵巻や扇、画帖、屛風など、さまざまな形で残されてきた作品を、美術史、建築史、日本文学などの知見より時代別に考察。
さらには、AIやVRなどを駆使した最先端の研究や展示方法に関する最新成果も収載。
日本古典文化の中心にある『源氏物語』の絵画の世界を多角的視点から解剖した必備の一冊。
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