カミノレンズガヒラクコテンセキカイガノセカイ

紙のレンズがひらく古典籍・絵画の世界
New Aspect of Codicology, under the eyes of the Scientific Analysis of Paper

江南和幸・佐藤悟・横井孝(新コディコロジー研究会) 編
ISBN 978-4-585-39036-7 Cコード 3090
刊行年月 2023年11月 判型・製本 A5判・並製 296 頁
キーワード アーカイブズ,出版,美術,古典

定価:4,950円
(本体 4,500円) ポイント:135pt

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書籍の詳細
「紙」は何を伝えているか―

古典籍や絵画、文書など、東アジアには紙を基底材とした文化財が数多く伝来している。
そこで使用される紙は、原料や加工処理により、さまざまな表情を残している。
これらの紙は、どのように作られ、選択され、流通したのか。
文学的・書誌学的・文献学的研究と、高性能デジタル顕微鏡観察や蛍光X線分析による非破壊科学的分析研究とを一体とした「新コディコロジー」により、紙そのものが持つ情報と、その背景にある歴史・社会・経済・政治といった文化状況までもが明らかになりつつある。
料紙研究の最先端を伝え、また、これからの課題をも提示する貴重な一冊。
掲載図版200点超!

◆英文目次・英文要旨ファイルは以下からダウンロードできます。
『紙のレンズがひらく古典籍・絵画の世界』英文目次・英文要旨

 

 

目次
カラー口絵

序言 紙は文化のインフラ―新コディコロジーの可能性 佐藤悟

第1部 「紙」を科学する視点
古写本学(Codicology)と紙の科学的分析学(Papyrography)との邂逅 江南和幸
手漉き和紙、とくにコウゾの製造から紙へ―デジタル顕微鏡でここまで分かる 澤山茂
デジタルマイクロスコープを用いた和紙の表面粗さの計測とその精度 大和あすか

第2部 非破壊分析が明かす美術・古典籍
エルミタージュ美術館レンブラント銅版画コレクション用紙に用いられた和紙の顕微鏡分析 江南和幸・岡田至弘
文理融合の研究手法でひも解く『大清聖祖仁皇帝實録』の歴史―大紅綾本と紫綾本の紙質分析から   徐小潔
科学分析が明かす浮世絵を作り上げた紙の姿 江南和幸・岡田至弘・佐藤悟
国文学・美術とハイテク分析機器―コメ澱粉粒の反射偏光顕微鏡観察および浮世絵の色分析を例に 日比谷孟俊・澤山茂・大和あすか

第3部 非破壊分析による国文学研究
光学的観点に基づく料紙解析から古筆切のツレを認定する際の課題と対策 舟見一哉
為家本源氏物語幻の巻の研究―高精細デジタル顕微鏡・高解像度スキャナ・蛍光X線分析器による紙質調査を通して 横井孝・澤山茂・日比谷孟俊
明融と打紙、そして明融本源氏物語のことなど 上野英子

あとがき 横井孝

執筆者紹介
Contents・Abstract /英文目次・英文要旨
プロフィール

江南和幸(えなみ・かずゆき)
1940年生まれ。龍谷大学名誉教授。
専門は文化財科学、里山学。
論文に“Origin of the difference in Papermaking technologies berwenn those transferred to the East and the West from the mother land China”, Jornal of the International Association of Paper Historians, Volume 14, Year 2010, Issue 2, pp12-22. “Paper made from Millet and Grass Fibre found in the Secular Documents of Pre-Tang and Tang Dynasty”, International Association of Paper Historians, 2012 Congress Book, vol.19, pp.149-159, 2013. “Encounter of Japanese Paper with Europeans-from Portuguese Jesuit Missionary to Rembrandt”, International Association of Paper Historians,2014 Congress Book, vol.20, pp.111-124,2016. 紙は時代の目撃者:紙の科学分析が語る知の文明の歴史」(『実践女子大学文芸資料研究所年報』第39 号、2020年)、「穀物澱粉添加による紙の改質―4 世紀中央アジア文書から江戸期刊本用紙にみる」(『書物学』19、勉誠出版、2022年)などがある。

佐藤 悟(さとう・さとる)
1954年生まれ。実践女子大学教授。
専門は近世文学。
論文に「『鹿驚集』をめぐる諸問題」(『近世文芸』108、2018年)、「穀物澱粉添加による紙の改質―4 世紀中央アジア文書から江戸期刊本用紙にみる」(『書物学』19、勉誠出版、2022年)などがある。

横井 孝(よこい・たかし)
1949年生まれ。実践女子大学名誉教授・実践女子大学文芸資料研究所客員研究員。
専門は平安時代物語文学。
著書に『円環としての源氏物語』(新典社、1999年)、『紫式部集大成』(共編著、笠間書院、2008年)、『源氏物語の風景』(武蔵野書院、2013年)、『紫式部集の世界』(共編著、勉誠社、2023年)などがある。

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