近世期の笑話集を東アジアの視点から読み直す
江戸時代に刊行された1,000種超の噺本の価値に、韓国の研究者が気づかないのと同じく、ほとんどの日本の研究では朝鮮漢文笑話集の持つ資料的価値について言及されていない。
従来、中国との比較のみに重点が置かれていた笑話研究について、中間にある朝鮮文学を比較研究の基軸に据え、徹底的な文献博捜力により、単線的な対比を越えた多面的・複合的な観点を確立。
笑話というジャンルにとどまらず、東アジアの説話や物語世界、文芸や文化論に通底する課題を浮き彫りにし、旧来の研究の地平を大幅に乗り越える画期的論文集。