文化財はどのように守られ、伝えられてきたのか
醍醐寺は、平安時代の創建より今に至るまで、人々の祈りや信仰を背景に、文化財を守り、伝え続けてきた。
その醍醐寺に伝わる「醍醐寺文書聖教」は、仏教のみならず、政治・経済・芸能等の分野にわたって、日本の歴史・文化を伝える一級の史料として、平成25年、69,378点が国宝に指定された。
国内最多級の「紙の文化」の保存・伝承に尽力した人々の営みはいかなるものであったのか。
どのような理念の元で、総合的な文化財調査が行われてきたのか。
百年に及ぶ調査・研究の営みを振り返り、これからの文化財の保存と活用について提言する。