アジア遊学170
ヒガシアジアノオンガクブンカ

東アジアの音楽文化

物語と交流と
原豊二・劉暁峰 編
ISBN 978-4-585-22636-9 Cコード 1373
刊行年月 2014年2月 判型・製本 A5判・並製 264 頁
キーワード 文化史,交流史,東アジア,平安,中世,中古

定価:2,750円
(本体 2,500円) ポイント:75pt

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書籍の詳細
東アジアの音楽を新たな文化的視点から切り拓く

中国音楽が日本などの周辺諸国に大きな影響を及ぼしてきたことは贅言を要さない。
しかし我々の中国音楽への理解は極めて典型化されたものであり、換言すれば、それは中国音楽の一面に過ぎなかった。
中国音楽が日本文学にもたらした複雑な文化的、歴史的、制度的なプロセスや、音楽家・文学者双方の意図から生ずる「再創造」の営みを検討するとともに、『うつほ物語』などの王朝物語に見える、当時の人々の交流や信仰などとも関わり合う、東アジアの音楽文化の様相を考察する。

 

 

目次
序言 東アジアの音楽文化―物語と交流と 原豊二・劉暁峰 

Ⅰ 音楽物語としての『うつほ物語』
『うつほ物語』の音楽―音楽故事の影響を考える 正道寺康子
『うつほ物語』あて宮の精神的流離と『琵琶行』―「内侍のかみ」・「蔵開」を中心に 岡部明日香
東アジアにおける声のロマンス―『うつほ物語』の音楽文化史的背景 劉暁峰
『うつほ物語』と遣唐使―「中華意識」をめぐって 原豊二
コラム『うつほ物語』から『源氏物語』へ―音楽研究史概観 笹生美貴子 
コラム『河海抄』の『うつほ物語』引用―音楽関係記事を中心に 松本大 

Ⅱ 物語の「音」
平安期物語文学における琴と夢 笹生美貴子
源氏物語から浜松中納言物語へ―方法としての独詠 中西健治

Ⅲ 中国音楽の展開
中国出土の古代楽器と音楽文化―隋唐墓から出土した伎楽俑と楽器を中心として 王維坤
琵琶、筝と古琴から―白楽天詩歌における楽器のイメージ、及びその音楽論について 刁小龍
山西の「楽戸」 項陽

Ⅳ 大陸への憧憬
『菅家文草』の「琴」 佐藤信一
日本中世説話集にみる中国音楽説話をめぐって 李銘敬
コラム中日の文学における七弦琴 張龍妹 

Ⅴ 音楽文化史からの視座
琴の現存最古の楽譜『碣石調幽蘭第五』に見る古代琴楽の実像 山寺美紀子
龍笛と古代の笛、そして文学 関河眞克 
楽奏の場としての平安建築―『うつほ物語』『源氏物語』に示された御遊の空間構成 赤澤真理 
迦陵頻伽の美声と図像 淵田雄
コラム台湾における一貫道の宝光玉山道場祭天雅楽 李瑞祥
コラム十八世紀、ある朝鮮士大夫の音楽についての物語 朴暎美
プロフィール

原豊二(はら・とよじ)
米子工業高等専門学校准教授。博士(文学)。日本中古文学専攻。
著書に『源氏物語と王朝文化誌史』(勉誠出版、 2006年)がある。

劉暁峰(りゅう・ぎょうほう)
清華大学歴史系教授。専門は日本歴史、民俗学。
著書に『東アジアの時間─歳時文化の比較研究』(中華書局、 2007年)、『日本人の顔』(中国中央編訳出版社、2007年)、『端午』(中国三聯書店、2009年)などがある。

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