カートは空です。
戦争が生み出す英雄は、リスクを取って勝利する物語の魅力を放つ。またその戦略や統率のモラルは教育、会社、ひいては国家を考える重要な視角にもなりうる。戦争の人間学は、人文科学の重要な資源なのである。本書では漢字文化圏であると同時に、個別に花開いていった日・中・韓の武将伝の「偏差」を浮かび上がらせ、三者を比較することにより、文化伝播の様相を総体的かつ相互交流的に捉える。
井上泰至(いのうえ・やすし)防衛大学校教授。専門は日本近世文学。主な著書に『サムライの書斎』(ぺりかん社、2007年)、『恋愛小説の誕生』(笠間書院、2009年)、『雨月物語の世界』(角川学芸出版、2009年)、『秀吉の対外戦争』(金時徳と共著、笠間書院、2011年)、『江戸の文学史と思想史』(田中康二と共編、ぺりかん社、2011年)『江戸の発禁本』(角川学芸出版、2013年)などがある。長尾直茂(ながお・なおしげ)上智大学文学部教授。専門は中国古典学・日本漢学。主な著書に新書漢文大系21『世説新語』(明治書院、2003年)、「中世における『新刊全相平話前漢書続集―清家文庫所蔵「漢書抄」への引用をめぐって―」(『漢文学 解釋與研究』第一二輯、汲古書院、2011年)、「近世漢文考證随筆管窺―夜半鐘声を題材として―」(『江戸の漢文脈文化』、2012年、竹林舎)などがある。鄭炳説(じょん・びょんそる)ソウル大学国文学科教授。専門は韓国古典小説。主な著書に『私は技生である』(Munhakdongne、2007年)、『朝鮮の淫談悖説』(Yeok、2010年)、『権力と人間』(Munhakdongne、2012年)などがある。
「週刊統一日報」(2014年5月21日)にて、本書の書評が掲載されました。