カートは空です。
作り物語とは何か? 作り物語はどのように存在していたのか?文学史に大きく横たわる、全てのテクストを考えるに等しい根源的な問い。連鎖・編成を繰り返し、アメーバのごとく増殖・変容するあまたの写本・版本を、あるがままに虚心に把捉することで見えてくる、ニュートラルな文学史。
加藤昌嘉(かとう・まさよし)1971年10月生。2000年3月、大阪大学大学院博士後期課程修了。博士(文学)。大阪大学大学院助手、国文学研究資料館准教授を経て、現在、法政大学文学部教授。著書に『揺れ動く『源氏物語』』(勉誠出版、2011年。第13回紫式部学術賞受賞)、共著書に『大島本源氏物語の再検討』(和泉書院、2009年)、共編書に『テーマで読む源氏物語論(4) 紫上系と玉鬘系―成立論のゆくえ―』(勉誠出版、2010年)がある。
「図書新聞」(2014年10月11日)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:助川幸逸郎(日本文学研究者))