カートは空です。
元東京大学史料編纂所所長・大正大学教授の菊地勇次郎の遺稿集。前著『源空とその門下』に収められていない論文を、生前の構想に基づいて集成。政治史・社会経済史の亜流ではない、史料と実地調査に基づく宗教史のあるべき研究姿勢を追究した成果がまとめられており、日本浄土教史の研究を中央のみならず地方からの視点を丹念に取り入れた研究は、今なお価値を持つ。
菊地勇次郎(きくち・ゆうじろう)大正10年(1921)に生まれる。昭和22年(1947)9月、東京大学文学部国史学科卒業。昭和23年(1948)1月、東京大学史料編纂所の史料編纂勤務につき、文部教官、助教授を経て、同48年(1973)、教授。同54年(1979)4月から同56年(1981)3月まで所長。おもに『大日本史料』第9編・第10編(室町・戦国時代)の編纂に従事した。昭和57年4月、大正大学教授。『国史大辞典』編纂委員、昭和62年から平成4年まで醍醐寺文化財研究所所長。この間、茨城県、福井市、藤沢市、熱海市、壬生町など数多くの自治体史編纂に携わる。東京大学名誉教授。平成4年(1992)4月、逝去。