ヒガシアジアノナカノケンチョウジ

東アジアのなかの建長寺

宗教・政治・文化が交叉する禅の聖地
村井章介 編
ISBN 978-4-585-22101-2 Cコード 3021
刊行年月 2014年11月 判型・製本 A5判・上製 512 頁
キーワード 交流史,仏教,日本史,鎌倉,中世

定価:3,850円
(本体 3,500円) ポイント:105pt

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書籍の詳細
禅が描き出す東アジア交流史

渡来僧蘭渓道隆を開山とし、日中の僧が集う宋朝禅を伝える道場として、また、北条得宗家による宗教政策の中枢としてあり、その後の幕府と禅僧の関係の基盤を築いた建長寺。
ヒト・モノ・文化の結節点としてあった「場」に着目することで、日本と東アジアを結ぶ「禅」という紐帯の歴史的意義を明らかにする。

 

 

目次
序言 村井章介

東アジアのなかの建長寺
 蘭渓道隆の渡日をめぐる人脈―「東アジアのなかの建長寺」序説 村井章介
 東アジアをつなぐ禅思想―グローバルな禅 横内裕人
 中世「江湖」の思想へ 東島誠
 博多と鎌倉―鎌倉時代の日本禅宗界 伊藤幸司
 北条時頼とその時代 高橋典幸
 北条氏の政治思想 本郷恵子
 鎌倉における仏教史点描 高橋秀榮
 建長寺略史―禅の源流から本流へ 三浦浩樹

蘭渓道隆と建長寺
 蘭渓道隆と泉涌寺僧の交流―南宋禅教僧と泉涌寺の両ネットワークから見る 西谷功
 建長寺の開山―蘭渓道隆と北条時頼 舘隆志
 ❖コラム―道隆出蜀 彭丹
 蘭渓道隆の墨蹟 西尾賢隆
 建長寺の蘭渓道隆像 高橋真作
 ❖コラム―蘭渓道隆の頂相―建仁寺西来院調査報告を中心に 浅見龍介
 中世鎌倉の渡来僧─建長寺・円覚寺を中心として 佐藤秀孝
 建長寺船の派遣とその成果 榎本渉
 ❖コラム―建長寺と称名寺―清規・規式を通して 永村眞

禅宗と政治
 鎌倉仏教と禅 菊地大樹
 鎌倉幕府と禅宗 中村翼
 北条得宗家の禅宗信仰を見直す―時頼・時宗と渡来僧との交際から 橋本雄
 ❖コラム―建長寺創建本尊と北条時頼の信仰 瀨谷貴之
 日本五山と呉越国・北宋・南宋 西山美香
 室町時代の鎌倉禅林 川本慎自
 鎌倉五山・京都五山と尼五山 山家浩樹

禅林の文化
 中世都市鎌倉と禅宗寺院 高橋慎一朗
 『建長寺指図』と仏殿・法堂・衆寮 野村俊一
 鎌倉の禅宗庭園 三浦彩子
 鎌倉の中世石造物と建長寺開山塔―その造立背景 古田土俊一
 建長寺の伽藍神と聖僧 奥健夫
 ❖コラム―鎌倉禅林と「鎌倉派」仏画 林温
 鎌倉時代禅宗寺院の喫茶 祢津宗伸
 建長寺の学問―玉隠英璵を中心に 西岡芳文
 鎌倉武士と和歌―続後拾遺集をめぐって 小川剛生

資料
 ❖建長寺略年表・建長寺住持位次・大覚派法系図 三浦浩樹
 ❖蘭渓道隆ゆかりのお寺について―全国に残る蘭渓道隆の開山及び由縁寺院を訪ねて 鈴木佐
 ❖各地に残る蘭渓道隆像 鈴木佐
 ❖鎌倉禅研究会特別講義記録

あとがき 大本山建長寺
プロフィール

村井章介(むらい・しょうすけ)
1949年生。立正大学文学部教授。東アジア文化交流史専攻。
おもな著書に『東アジア往還 漢詩と外交』(朝日新聞社、1995年)、『日本中世境界史論』(岩波書店、2013年)、『日本中世の異文化接触』(東京大学出版会、2013年)がある。

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