近世後期出版文化を体現する書籍コレクションの全貌
西欧における日本学の基盤を築いた博物学者フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト。
彼の学問の視野は日本書籍にも及び、第一次滞日時(1823~1830)に体系的に蒐集した典籍は、その大部分がオランダに寄贈され、同時期の近世日本文化を伝える有数の在外日本書籍コレクションとして、いまなおその歴史的意義を示し続けている。
オランダをはじめ、オーストリア・フランス・デンマーク・イギリスの各国に残された、第一次滞日時のシーボルト蒐集にかかる日本書籍を網羅的に実見・調査。その知見より得た、ラテン語版目録未収載書を含むのべ792点にわたる典籍の現存書目録を収載。
また、日本書籍蒐集の動向とそこに関わる人的交流を明らかにし、当該コレクションの文化史的・書物史的意義を示す13の論考を収めたシーボルト日本書籍コレクションの総体を把握する基礎文献。