世界に誇る白眉の書物を原寸原色で初公開
わが国に伝わる『論語』の完本としては最古のもの。鎌倉幕府に仕えた清原教隆が、仁治3年(1242)に書写したものにより、さらに正和4年(1315)に書写したものである。
皇侃『論語義疏』を引き、唐・陸徳明『経典釈文』の文を補い、異本校合は紙背にも及んでいる。唐代以来『論語』注釈の名残をうかがうことが出来るのみでなく、明経博士清原家の加点を伝え、その家学研究にも資するものとして特に珍重すべきものである。
【本シリーズの特長】
・国際的な東洋学の研究拠点として名高い「公益財団法人 東洋文庫」所蔵の国宝5点、重要文化財6点を含む貴重古典籍全16点を、全12巻にわたって全編フルカラー原寸で影印。
・対象典籍の全編フルカラー影印は史上初。これまでに全編が公開されることのなかった典籍を多く含んでおり、今後の研究の基礎図書となるものである。
・高精細な製版・印刷により、原本の質感を再現。筆致や書入、訓点までもが仔細に観察できる。紙背の墨付も全て影印。
・古典籍に通暁した石塚晴通(北海道大学名誉教授)・小助川貞次(富山大学教授)・豊島正之(上智大学教授)・會谷佳光(東洋文庫図書部課長)による解題を収載。新知見を盛り込み、歴史的・文化的位置づけを明らかにする。