カートは空です。
中国文学史上、最初に顕著な文学活動をした市民階層の詩人群である江湖詩人。彼らを売り出したのは都大路に店を構えた書肆の主。一商人が出版という営為を通じて、伝統詩学の新たなトレンドを生み出し、元明清三代の魁となった。彼らの影響は日本にも及んでおり、彼らの位置づけを正しく行い再評価することで、中国近世の文学史全体を大きく書き換えることができるだろう。本書を通してこの詩派の価値と内実を紹介する。
内山精也(うちやま・せいや)1961年新潟県柏崎市生まれ。早稲田大学教育・総合科学学術院教授、博士(文学)。専門は宋代文学。主な著書に『蘇軾詩研究 宋代士大夫詩人の構造』(研文出版、2010年10月)、『伝媒与真相 蘇軾及其周囲士大夫的文学』(上海古籍出版社、2005年8月)などがある。