ユーラシア大陸の東西に及ぶ、有史以来最も広大な版図を築き上げたモンゴル帝国。
その創始者チンギス・カンは史実と伝説の混沌の中で、洋の東西においてさまざまに語られ、伝えられてきた。
ある時は英雄、ある時は略奪者として・・・。
しかし、私たちはチンギス・カン、そしてモンゴル帝国を、本当に知っているだろうか。
これまで史料的制約の名のもとに見過ごされてきた国際状況や交通・交易、自然環境、日常生活や技術の展開などを、考古学・自然科学・文献史学を駆使することで明らかにし、チンギス・カンをめぐる歴史の実像を立体的に描き出す。