語りの文学『源氏物語』、その原点に立ち返る。
本文に忠実でありながらよみやすい。
最上の現代語訳!
第二冊は末摘花巻~花散里巻。光源氏十八歳~二十五歳の出来事。光源氏は、藤壺との間に不義の子(のちの冷泉帝)をもうけてしまった罪の意識に苦しめられながらも、紅葉賀巻・花宴巻と青春時代のハイライトを迎える。その後、桐壺院崩御、そして藤壺出家と、世の中が変わっていく中、朧月夜との密会発覚という決定的な出来事が起こる。
巻末の論文では、物語の本筋とは関係がないが、その場面があることによって、より物語に深みと、奥行きをもたせる「かざり」と呼ばれる方法を解説する。
【本書の特色】
1.美しく正しい日本語で、物語の本質である語りの姿勢を活かした訳。
2.物語本文を忠実に訳し、初の試みとして、訳文と対照させ、物語本文を下欄に示す、本文対照形式。
3.訳文に表わせない引歌の類や、地名・歳事・有職などの説明を上欄に簡明に示す。
4.敬語の語法を重視し、人物の身分や対人関係を考慮して、有効かつ丁寧に訳す。
5.物語本文で省略されている主語を適宜補い、官職名や女君・姫君などと示される人物にも適宜、( )内に呼名を示し、読解の助けとする。
6.訳文には段落を設け、小見出しを付けて内容を簡明に示す。また巻頭に「小見出し一覧」としてまとめ、巻の展開を一覧できるようにした。
7.各巻末に源氏物語の理解を深めるための付図や興味深い論文を掲載。
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