セツワトヨコブエ

説話と横笛

平安京の管絃と楽人
磯水絵 著
ISBN 978-4-585-29114-5 Cコード 1095
刊行年月 2016年1月 判型・製本 四六判・並製 282 頁
キーワード 美術,説話,平安,中世

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細
平安京に鳴り響く管絃の世界

平安・鎌倉時代の宮中や天皇の周辺には、どのような音楽が流れていたのだろうか?
説話集や楽書に残る横笛のエピソードを通して、笛の知られざる機能、楽人の実態をさぐり、宮廷音楽史に迫る。

日本で最初の横笛譜を編纂した貞保親王。虚空に鳴り響く音楽とともに誕生した源博雅。音色で鬼を驚かせた「葉二(はふたつ)」。海神の怒りを静めた「水龍」。弁慶と横笛を手に戦った牛若丸。源平の戦いで命を落とした平敦盛の「青葉の笛」。
横笛の名人や名器などのエピソードを時系列に紹介。日本音楽史の副教材としても最適な一冊。

 

 

目次
カラー口絵
序に代えて  昔の貴族は「一に学問、二に音楽」
管絃者列伝① 貞保親王  
管絃者列伝② 敦実親王  
管絃者列伝③ 源博雅  
名器譚① 朱雀門の鬼の笛「葉二」  
管絃者列伝④ 双調の君―十世紀の音楽一家、博雅三位の流れ   
楽人列伝① 大戸清上と尾張浜主―最後の遣唐使   
楽人列伝② 尾張浜主―本朝笛の囊祖、尾張氏異聞   
名器譚② 「大水龍」と「小水龍」  
管絃者列伝⑤ 藤原保昌―頼光四天王保昌と横笛   
管絃者列伝⑥ 源義経―牛若丸と横笛   
楽人列伝③ 笛の一流、消えた清原氏  
楽人列伝④ 戸部正清VS大神基政  
楽人列伝⑤ 笛の一者、戸部清延―平等院一切経会の舞楽   
法師数寄者① 覚能上人の逸話―天上の音楽   
管絃者列伝⑦ 勘解由次官明宗のこと―臆病な笛吹   
楽人列伝⑥ 大神惟季―《放鷹楽》の伝承   
法師数寄者② 明暹と堀河天皇  
管絃者列伝⑧ 京極大納言宗輔―生陵王に遇うこと   
管絃者列伝⑨ 堀河天皇は笛がお好き  
楽人列伝⑦ 大神景賢、ムササビを退治する  
法師数寄者③ 石清水八幡宮の永秀の話  
管絃説話① 賀茂の秘曲合せの事―鴨長明と大神景賢   
名器譚③ 青葉の笛「名笛小枝」  
名器譚④ 横笛の珍器「紅葉」  
管絃説話② 説話から謡曲へ―「清経」《恋之音取》  
おわりに  

笛の楽家系図  
図版転載一覧(掲載順)  
索引(人名/書名/音楽関係(楽器・曲名)
プロフィール

磯水絵(いそ・みずえ)
1950年、東京に生まれる。2001年、博士(文学)乙取得(二松学舎大学)。現在、二松学舎大学文学部教授。
主要著書に『説話と音楽伝承』(単著、和泉書院、2000年)、『院政期音楽説話の研究』(単著、和泉書院、2003年)、『『源氏物語』時代の音楽研究―中世の楽書から―』(単著、笠間書院、2008年)、『大江匡房―碩学の文人官僚』(単著、勉誠出版、2010年)等がある。

書評・関連書等

「京都民報」(2016年3月27日)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:帆足正規(能楽森田流笛方))

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