帝国の欲望と、暴力の記憶
近代化に伴う「世界」の広がりは自他の認識を強固にし、他者を陳列し掌握するという欲望は「博物館」という装置を作り上げていった。
そこには帝国主義・植民地主義という政治性が色濃く反映していた。
また一方で、博物館は、歴史の暴力をいまに留め伝える役割を果たしつつある。
われわれは、いま博物館という装置を如何に考えていくべきか。
時代ごとの思想と寄り添ってきたその歴史と、アイデンティティを創出する紐帯としてのあり方。双方向からのアプローチにより「博物館」という存在の意義と歴史的位置を捉えかえす。