ジョン・セーリスは国王ジェームス1世の命をうけ、帆船クローブ号で船員80名弱を率いて平戸にやって来た。駿府、江戸において家康や秀忠に面会して、王の親書を奉呈し家康の返書、ならびに通商免許状と土産物をうけて帰国した。
本書は1611年4月18日英国ケント州ダウンズ港を出帆してより、1614年9月27日プリマスに帰帆するまでの航海および日本滞留日記で、しかも時の英国大法官フランシス・ベーコン卿に献呈した手写本である自筆稿本である。日英国交開始に関する重要史料であり、また、上記の道中においてセーリスの目に映じた当時の日本の姿を克明に伝える、日本近世史の海外史料として重要な役割を演ずるものである。
【本シリーズの特長】
・国際的な東洋学の研究拠点として名高い「公益財団法人 東洋文庫」所蔵の貴重古典籍全三点を全編フルカラー原寸で影印。
・対象典籍の全編フルカラー影印は史上初。今後の研究の基礎図書となるものである。
・高精細な製版・印刷により、原本の質感を再現。筆致や書入、訓点までもが仔細に観察できる。
・対象典籍に通暁した斯波義信(東洋文庫文庫長)・平川祐弘(東京大学名誉教授)・平野健一郎(東洋文庫)による解題を収載。新知見を盛り込み、歴史的・文化的位置づけを明らかにする。