信頼すべき日本とは何か―
日米戦争の最中、グルー大使は青年将校に殺された重臣斎藤實をI admired, respected, and loved と讃えた
日米双方の当事者の目で見た二・二六事件から「人間宣言」まで
第一部では、二・二六事件の前夜、駐日米国大使ジョーゼフ・グルーの夕食会に集った齋藤實夫妻と鈴木貫太郎大将、それにグルー自身を中心にして、これらの人々が第二次大戦中に行った平和への貴重な努力を、日米双方の史料の裏づけによって跡づける。
第二部は、ポツダム宣言受諾に際して日本が条件として示した天皇制の護持が、昭和二十一年一月一日、天皇の詔書渙発によってよりリベラルな形で維持されるにいたる、その過程の裏面を同じく史料によって明らかする。
講談社学術文庫版に掲載された五百旗頭真の解説に加え、岡崎久彦の書評、著者自身による新たな解説を付す。