カートは空です。
翻案小説集『古今奇談 英草紙』に関し、翻訳語であり新たな日本語語彙となって表現された小説中の白話をその構造と性質とを総合的に深く分析し、その本質に迫ろうとした最新の試み。中国語史、日本語史を踏まえ、白話の概念をめぐる中国における文言、白話に焦点を定めた研究史を整理するとともに検討を加え、自らの白話概念の再検討を図る。近世文学史研究にあっては読本の文体を精査するための基礎となり、日本語史・中国語史の双方に資する研究。
張海燕(ちょう・かいえん)中国山東女子学院外国語学院日本語学科専任講師。1980年中国山東省済南市生。2010年立正大学文学部日本語日本文学専攻コース卒業。2013年立正大学大学院文学研究科国文学専攻修士課程修了。2016年立正大学大学院文学研究科国文学専攻博士後期課程修了。立正大学人文科学研究所研究員。立正大学博士研究員。2016年9月より現職。博士(文学)。主要論文に、「『古今奇談 英草紙』唐話語彙検証—江戸中期小説における受容の様相を探る—」(『立正大学大学院文学研究科年報』第31号、立正大学文学研究科、2014年3月)、「『古今奇談 英草紙』と白話受容(一)―「荘子休鼓盆成大道」翻訳から生成した翻案小説「黒川源太主山に入ツて道を得たる話」をめぐって―」(『立正大学國語國文』第53号、立正大学國語國文学会、2015年3月)、「「白話」の概念をめぐって」(『立正大学國語國文』第54号、立正大学國語國文学会、2016年3月)、「江戸中期小説にみられる白話語彙の受容―『古今奇談 英草紙』を例として―」(『アジア文化研究』第2号、アジア文化研究学会、2016年7月)ほか。