取り扱いから保存・活用・分析まで、写真と歴史をつなぐ新たな史料論
明治20年代から半世紀以上にわたり産業・学術等の分野を問わず、広く活用されてきた記録媒体、ガラス乾板。
フィルム、そしてデジタル撮影という時代を経て、顧みられることのない存在として遇されてきたが、近年、写真資料として、また、歴史史料としてガラス乾板の持つ文化的価値が見出されてきた。
いまなお各所に残るこの膨大な史料群にいかに対峙していくべきか。
写真史および人文学研究のなかにガラス乾板を位置付ける総論、先駆的に調査・分析・保全を続けてきた東京大学史料編纂所ほか、同様の取り組みを進める諸機関の手法を提示する各論を通じて、総合的なガラス乾板の史料学を構築する。