カートは空です。
多様な異性装の世界衣服は身分や男女差を可視化できる故に、国家や社会による規制の対象とされることが多かった。異性装はいかなる社会的・文化的背景のもとで行われてきたのか。日本とアジアを中心に、ヨーロッパ、アフリカなど諸国の異性装の事例を歴史・服飾・美術・ジェンダーなどの側面から照射し、女神の帰依・男巫の儀礼から同性愛・トランスジェンダーまで、多様な女装・男装の実体や異性装禁止命令の変遷を明らかにする。
服藤早苗(ふくとう・さなえ)埼玉学園大学名誉教授。専門は日本古代・平安時代史、ジェンダー史。主な著書に『平安王朝社会のジェンダー』(校倉書房、2005年)、『古代・中世の芸能と買売春』(明石書店、2012年)、『平安王朝の五節舞姫・童女』(塙書房、2015年)などがある。新實五穂(にいみ・いほ)お茶の水女子大学基幹研究院人文科学系助教。専門は西洋服飾論。主な著書に、『社会表象としての服飾―近代フランスにおける異性装の研究』(東信堂、2010年)、『フランス・モード史への招待』(共著、悠書館、2016年)などがある。
「ジェンダー史学」第15号(2019年10年20日発行)に書評が掲載されました。 →評者:赤川学(東京大学)