カートは空です。
焼き討ちにあった東大寺再興の費用を賄うために、造営料国として東大寺に寄進された周防国。初期は大勧進重源・栄西・行勇らが経営を担い、後期には大内・毛利氏による横領・進出を受けるなど、寺院と世俗社会との密接な関わりのなかにあった同国をめぐる動きを、造営料国から寺領化を進める東大寺による国衙経営の実態と、その動向に対応していった寺院内部の組織のあり方に着目し、通史的に描き出す。政治史・社会経済史・寺院史等、諸分野を架橋する基盤研究。
畠山聡(はたけやま・さとし)1961年東京生まれ。2005年國學院大学大学院文学研究科博士課程後期日本史学専攻終了。博士(歴史学)。現職は、東京都板橋区教育委員会生涯学習課文化財専門員・國學院大學兼任講師。主要論文に「中世東大寺による兵庫関の経営とその組織」(『日本史研究』494号、2003年)、「中世後期における東大寺と東大寺郷―転害会の分析を通して」(五味文彦・菊地大樹編『中世の寺院と都市・権力』山川出版社、2007年)、「中世後期の東南院主と院家領」(『寺院史研究』14、2013年)などがある。