アジア遊学249
カンガクトハナニカ

漢学とは何か

漢唐および清中後期の学術世界
川原秀城 編
ISBN 978-4-585-22715-1 Cコード 1322
刊行年月 2020年7月 判型・製本 A5判・並製 256 頁
キーワード 思想,中国

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細
客観の学が包み込む広大な「知」の世界

漢学は、漢代以降、大半の時期において、中国の学術に標準的な理論と方法を提供し、中国社会に規範として影響力を発揮した。
正統異端の分別を主とする宋学とは異なり、思想の体系性よりも思想の客観性を重視する漢学の学的性格は排他性を嫌い、諸学並存的ないし相互補完的な知的世界を展開した。
現代の人文学の領域を大きく凌駕する漢学のパースペクティブは、どのようにその対象を広げ、如何に事象を記述しようとしたのか。
漢唐および清中後期の学術を多角的に分析し、歴代漢学の総覧を通して学的特徴とその限界について考察する。

 

 

目次
序文 川原秀城

第1部 両漢の学術
今文・古文 川原秀城
劉歆の学問 井ノ口哲也
『洪範五行伝』の発展と変容 平澤歩
前漢経学者の天文占知識 田中良明

第2部 六朝・唐の漢学
鄭玄と王粛 古橋紀宏
北朝の学問と徐遵明 池田恭哉
明堂に見る伝統と革新─南北朝における漢学 南澤良彦

第3部 清朝の漢学
清朝考証学と『論語』 木下鉄矢
清代漢学者の経書解釈法 水上雅晴
乾隆・嘉慶期における叢書の編纂と出版についての考察 陳捷
嘉慶期の西学研究―徐朝俊による通俗化と実用化 新居洋子

第4部 総論:漢学とは何か
清朝考証学における意味論分析の数学的原理と満洲語文献への応用―データ・サイエンスとしての漢学 渡辺純成
漢学は科学か?─近代中国における漢学と宋学の対立軸について 志野好伸
プロフィール

川原秀城(かわはら・ひでき)
東京大学名誉教授。専門は中国朝鮮思想史・東アジア科学史。
主な著書に『中国の科学思想―両漢天学考』(創文社、1996年)、『関流和算書大成―関算四伝書』一~三期(共編、勉誠出版、2008~2011年)、『西学東漸と東アジア』(岩波書店、2015年)などがある。

書評・関連書等

★書評・紹介★
「中国研究月報」第75巻7号(2021年7月号)に書評が掲載されました。
 →評者:山村奨氏(国際日本文化研究センター共同研究員)

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