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増補改訂新版 日本中世史入門

論文を書こう
秋山哲雄・田中大喜・野口華世 編
ISBN 978-4-585-22280-4 Cコード 0021
刊行年月 2021年2月 判型・製本 A5判・並製 608 頁
キーワード 日本史,中世

定価:4,180円
(本体 3,800円) ポイント:114pt

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書籍の詳細
歴史を学び、考えるために

「歴史」はたんに過去の出来事をわれわれに伝えるのではなく、現代そして未来の人々の動向を規定する「力」を持っている。そこに学問として歴史を学ぶ意義が存在している。それでは、われわれはどのように歴史と対話すべきなのか。
歴史学の基本である論文執筆のためのメソッドと観点を日本中世史研究の最新の知見とともにわかりやすく紹介、歴史を学び、考えることの醍醐味を伝授する。


【本書の特長】
①初学者を対象に論文執筆=研究の進め方を具体的に紹介。歴史を学ぶことの意味、研究対象の選定から論文執筆・投稿の具体的な流れまでを43のQ&Aを交えてわかりやすくレクチャーする。
②初学者ならびに研究者を対象に、日本中世史の研究の到達点をわかりやすく提示。28人の気鋭の研究者により、いま歴史を研究する最新の観点を、研究史の流れとともに紹介する。
③歴史学研究の手法、論文執筆のメソッドを詳細にわかりやすく伝える書籍は類書がない。卒論・修論の執筆、指導にも最適。


※2014年5月に刊行した『日本中世史入門―論文を書こう』を大幅に増補改訂した書籍です。

 

 

目次
まえがき 秋山哲雄・田中大喜・野口華世

Ⅰ「歴史学」を学ぶということ
1「科学」としての歴史学
2歴史学の醍醐味
3史料批判と史料操作
4日本中世史の魅力

Ⅱ論文を書こう―歴史学研究の方法を学ぶ
はじめに
1テーマを決める
Q1…レポートと論文の違いは?  Q2…テーマを決める要素は?
Q3…論文にふさわしくないテーマは?  Q4…興味を持っていることが絞れないときは?
Q5…主要な通史類・講座類は?  Q6…最近の研究動向を知るには?
Q7…テーマを決める方法は?

2参考文献を読む
Q1…参考文献とは?  Q2…ふさわしい書籍とは?  Q3…書籍を探すには?
Q4…研究論文とは?  Q5…学術雑誌とは?  Q6…研究論文を探すには?
Q7…研究論文を入手するには?  Q8…参考文献の読み方は?
Q9…参考文献を読むときに気をつけることは?  Q10…参考文献を活用するには?

3史料を読む
Q1…史料とは?  Q2…古文書を探すには?  Q3…古記録や編纂物を探すには?
Q4…地域の史料を集めるには?  Q5…史料を読む前にすることは?
Q6…史料を読むには?  Q7…史料を読むときに気をつけることは?
Q8…参考文献と史料を読んだ後は?

4構成を考える
Q1…書く前にまずやることは?  Q2…「はじめに」で書くべきことは?
Q3…本論で目指すことは?  Q4…本論で気をつけることは?
Q5…史料などを適切に引用するには?  Q6…「おわりに」で注意すべきことは?

5注(註)をつける/史料を引用する
Q1…なぜ注をつけるのか?  Q2…どのようなときに注をつけるのか?
Q3…先行研究を引用する場合の注のつけ方は?  Q4…史料を引用する場合の注のつけ方は?
Q5…史料を引用する際に注意すべきことは?  Q6…一次史料と二次史料の違いは?

6推敲する
Q1…推敲するとは?  Q2…文章を見直すときのポイントは?―その1字句など―
Q3…文章を見直すときのポイントは?―その2文章・段落の長さ―
Q4…誤解されない文章を書くには?

7投稿しよう
Q1…どうやって投稿するのか?  Q2…投稿すれば必ず掲載されるのか?

おわりに―良い論文とは―


Ⅲ日本中世史研究の現在
中世摂関家論◉中世的権門としての摂関家 高松百香
院政論◉政治史と家族史の融合 佐伯智広
平家政権論◉平家政権論の軌跡とこれから 前田英之
中世前期国家財政論◉税制・財政史から中世国家・社会の成立を考えるために 守田逸人
荘園史研究◉中世天皇家の荘園の意味を考える 野口華世
中世武士論◉中世武士のとらえ方はどう変わったか 伊藤瑠美
鎌倉幕府論◉中世の特質を明らかにする 秋山哲雄
鎌倉幕府文士論◉鎌倉幕府を支える様々な人々 赤澤春彦
鎌倉期守護論◉幕府による全国統治の実態に迫る 西田友広
中世前期法制史研究◉鎌倉幕府の法と裁判へのまなざし 木下竜馬
鎌倉幕府御家人制論◉鎌倉幕府御家人制が中世後期に遺したもの 清水亮
中世武士団論◉中世の武士と社会の特質を考える 田中大喜
朝廷下級官人論◉朝廷を支える官僚システム 遠藤珠紀
室町殿論◉新たなる権力者像の〈発見〉 大田壮一郎
室町期守護論◉室町期守護論の「これまで」と「これから」 大薮海
中世後期法制史研究◉室町幕府法からみた中世後期の「法」の特質 松園潤一朗
中世寺院史◉中世寺院と顕密体制を考える 石田浩子
中世村落・環境史◉生活の舞台としての村落をどうとらえるか 高木徳郎
中世交通・流通論◉水陸のみちを考える 藤本頼人
中世経済史◉中世人の生活を探る 川戸貴史
中世都市論◉都市の輪郭について考える 三枝暁子
中世身分論◉身分と集団から中世社会を考える 辻浩和
中世東国史研究◉地域史と国家史のあわいで 植田真平
中世日本・東アジア交流史◉外国との関わりを考える 伊川健二
中世日本境界領域論◉東アジア交流の玄関口としての境界領域 荒木和憲
古文書学を学ぶ人のために◉「史料論の時代」における古文書学の可能性 佐藤雄基
中世絵画史料論◉絵画にかくされたもうひとつの日本文化 黒田智
中世考古資料論◉中世考古学の方法 村木二郎

執筆者一覧
あとがき―増補改訂版の刊行に寄せて 秋山哲雄・田中大喜・野口華世
研究概念・用語索引
プロフィール

秋山哲雄(あきやま・てつお)
1972年生まれ。国士舘大学文学部教授。専門は日本中世史。
主な著書に『北条氏権力と都市鎌倉』(吉川弘文館、2006年)、『都市鎌倉の中世史』(吉川弘文館、2010年)、『鎌倉幕府滅亡と北条氏一族』(吉川弘文館、2013年)、『鎌倉を読み解く―中世都市の内と外』(勉誠出版、2017年)などがある。

田中大喜(たなか・ひろき)
1972年生まれ。国立歴史民俗博物館・総合研究大学院大学准教授。専門は中世武士団・在地領主研究。
主な著書に『中世武士団構造の研究』(校倉書房、2011年)、『新田一族の中世―「武家の棟梁」への道』(吉川弘文館、2015年)、『古文書の様式と国際比較』(共編著、勉誠出版、2020年)、『図説鎌倉幕府』(編著、戎光祥出版、2021年)などがある。

野口華世(のぐち・はなよ)
1972年生まれ。共愛学園前橋国際大学教授。専門は女院と女院領、中世公家社会。
共編著に『歴史と文学―文学作品はどこまで史料たりうるか』(小径社、2014年)、『歴史の中の人物像―二人の日本史』(小径社、2019年)、論文に「待賢門院領の伝領」(服藤早苗編『平安朝の女性と政治文化』明石書店、2017年)、「中世天皇家からみる新田荘の成立」(『群馬文化』334、2018年)、「院政期の恋愛スキャンダル―「叔父子」説と待賢門院璋子を中心に」(『日本歴史』860、2020年)などがある。

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