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日本語文字論の挑戦

表記・文字・文献を考えるための17章
加藤重広・岡墻裕剛 編
ISBN 978-4-585-38000-9 Cコード 3081
刊行年月 2021年3月 判型・製本 A5判・並製 432 頁
キーワード 日本語,言語

定価:7,700円
(本体 7,000円) ポイント:210pt

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書籍の詳細

ひらがな・カタカナ・漢字・ローマ字等、世界的にも珍しい多文字種環境を有する日本語。
古来、日本人にとって「文字」は、意思疎通のための情報ツールであると同時に、彼我の文化に架橋するための媒体であった。
古代から現代までを視野に「書く」「読む」「学ぶ」「残す」という文字の諸機能に着目し、日本語における「文字論」の豊穣な世界を示す初めての一冊。

 

 

目次
まえがき 岡墻裕剛

第1部 言葉をどう書くか
日本語の表記システムとその特徴―日本語の言語学的文字論として 加藤重広
近・現代小説の片仮名の用法一斑―村上春樹『海辺のカフカ』を中心に 金水敏
古代中国語における漢字の表語現象の諸相 松江崇
平安時代の真仮名 乾善彦

第2部 文献をどう読むか
訓点研究「超」入門 小助川貞次
篆隷万象名義における漢文節の意味注記について 李媛
図書寮本『類聚名義抄』における掲出語と注文の対応について 申雄哲
辞書と文献の比較に基づく定訓論の再検討―キリシタン版『落葉集』と『ぎやどぺかどる』を中心として 白井純
明治期における基本漢字文献の諸相 岡墻裕剛

第3部 文字をどう学ぶか
『文選』の学習―訓点資料を通して見えてきたこと 渡辺さゆり
学びの系譜とその豊饒―江戸寺子屋教科書往来物資料を中心に 萩原義雄
変体仮名を学ぶ小学生 岡田一祐
米国陸海軍日本語学校の漢字教材“Kanji Book” 高田智和

第4部 文化をどう残すか
京都の「天橋立」を表す日本製漢字の展開と背景―「※1」「※2」を中心に 笹原宏之
「蝦夷記」のアイヌ語申渡文における仮名の用法 佐藤知己
JIS仮名とUnicode仮名をめぐるいくつかの問題 當山日出夫
漢字字体研究と日本古辞書データベースの構築 池田証壽

あとがき 加藤重広
執筆者一覧


※1:「辶」+「日」を9文字乗せた漢字
※2:「厂」+「有」を6文字入れた漢字
プロフィール

加藤重広(かとう・しげひろ)
1964年生まれ。北海道大学文学研究院教授(言語科学研究室)。専門は日本語学・言語学。
著書に『日本語修飾構造の語用論的研究』(ひつじ書房、2003年)、『日本語統語特性論』(北海道大学出版会、2013年)、『言語学講義』(筑摩書房、2019年)などがある。

岡墻裕剛(おかがき・ひろたか)
1980年生まれ。神戸女子大学文学部日本語日本文学科准教授。専門は日本語学(表記・漢字)。
著書に『B.H.チェンバレン『文字のしるべ』影印・研究』(編著、勉誠出版、2008年)、論文に「近代日本における基本漢字集合の系譜―『文字のしるべ』・Chinese Characters・「三千字字引」を中心に」(加藤重広・佐藤知己編著『情報科学と言語研究』現代図書、2016年)、「神戸市須磨区における方言漢字「磨」の研究」(神戸女子大学編『神戸女子大学文学部紀要』51、2018年)などがある。

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