アジア遊学260
アヘンカラヨムアジアシ

アヘンからよむアジア史

内田知行・権寧俊 編
ISBN 978-4-585-32506-2 Cコード 1320
刊行年月 2021年9月 判型・製本 A5判・並製 256 頁
キーワード 現代社会,アジア,世界史,日本史,近現代

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細
知られざる、薬物と国家権力の関係―

嗜好品・薬剤・媚薬として古くから人々に摂取されてきたアヘンは、 主要財源として、東インド会社の世界進出を支え、戦前戦中は日本の統治者を魅了した。
アヘンはいかにしてアジア諸国を蹂躙したのか?
植民地統治の影に隠された二律背反の国家戦略とは?
複雑な交易ネットワークと官僚、商人、兵士、民間人による生産・流通・消費の実態を示し、 また、現代にもつながるアヘン中毒、密輸入、腐敗政治といった負の側面にも着目しながら、植民地統治と近代的な経済発展の過程を通史的に描き出す。

 

 

目次
まえがき 内田知行

Ⅰ アヘンをめぐる近代アジアと西洋
アヘンをめぐるアジア三角貿易とアヘン戦争 権寧俊
オランダ領東インドとイギリス領マラヤにおけるアヘン問題 大久保翔平
【コラム】十八世紀以前のアジアにおけるアヘン 大久保翔平
フランス領インドシナのアヘン 関本紀子
【コラム】イギリス領インドとアヘン 杉本浄

Ⅱ 日本植民地・占領地のアヘン政策
植民地台湾のアヘンと国際アヘン問題 崔学松
植民地朝鮮におけるアヘン政策 権寧俊
関東州及び満洲国のアヘン政策 朴敬玉
蒙彊政権のアヘン 堀井弘一郎
【コラム】「満蒙」、「蒙疆」とはどこか? 堀井弘一郎
【コラム】東亜同文書院生の大旅行誌―一〇〇年前の学生フィールドワーク 関本紀子
裁かれた日本のアヘン・麻薬政策 小林元裕

Ⅲ 現代の薬物問題
現代日本の薬物問題 真殿仁美
【コラム】多様な視点が求められる日本の薬物防止教育 真殿仁美
中華人民共和国の薬物問題—国際社会における薬物を取り巻く動きが変化するなかで 真殿仁美
【コラム】ネットワーク化する中国の薬物犯罪組織—対岸の火事ではない 真殿仁美
【コラム】韓国芸能界の大麻問題 権寧俊 
【コラム】ベトナムの薬物汚染事情 関本紀子
現アフガニスタンのアヘン問題 内田知行
なぜ自然保護区は麻薬取引を助長するのか―中米コスタリカの事例から 武田淳

あとがき 内田知行
プロフィール

内田知行(うちだ・ともゆき)
大東文化大学名誉教授。専門は中国近現代史。
主な著書に『黄土の大地一九三七〜一九四五 山西省占領地の社会経済史』(創土社、2005年)、『歴史家が語るガイドブックにはない世界の旅』(創土社、2017年)などがある。

権寧俊(こん・よんじゅん)
新潟県立大学国際地域学部教授。専門は、東アジア国際関係史、国際社会学。
主な著書に、『歴史・文化からみる東アジア共同体』(編著、創土社、2015年)、『東アジアの多文化共生』(編著、明石書店、2017年)、朴橿著『阿片帝国日本と朝鮮人』(小林元裕、吉澤文寿と共訳、岩波書店、2018年)などがある。

書評・関連書等

★書評・紹介★
「社会経済史学」第88巻第3号(社会経済史学会、2022年11月25日)に書評が掲載されました
 →評者:古泉達矢氏

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