知られざる、薬物と国家権力の関係―
嗜好品・薬剤・媚薬として古くから人々に摂取されてきたアヘンは、 主要財源として、東インド会社の世界進出を支え、戦前戦中は日本の統治者を魅了した。
アヘンはいかにしてアジア諸国を蹂躙したのか?
植民地統治の影に隠された二律背反の国家戦略とは?
複雑な交易ネットワークと官僚、商人、兵士、民間人による生産・流通・消費の実態を示し、 また、現代にもつながるアヘン中毒、密輸入、腐敗政治といった負の側面にも着目しながら、植民地統治と近代的な経済発展の過程を通史的に描き出す。