カートは空です。
多くの記録が残され、我々の身近な人々が生きていた明治・大正・昭和。 現在に近い時代を考証する困難性はどこにあるのか。 そして、史実に沿うノンフィクションにおいても時代考証が求められるのはなぜか。 近現代史とノンフィクションにおける考証実務や作品の考察から、虚構と現実の間を埋めるという重要な役割を持つ「時代考証」がもつ可能性の広がりを考える。
大石学(おおいし・まなぶ)1953年生まれ 東京学芸大学名誉教授、日本芸術文化振興会監事、時代考証学会会長。 〔業績〕NHK大河ドラマ『新選組!』(2004年)、『篤姫』(2008年)、『龍馬伝』(2010年)、『八重の桜』(2013年)、『花燃ゆ』(2015年)、『西郷どん』(2018年)、NHK金曜時代劇『御宿かわせみ』(2003~05年)、『蝉しぐれ』(2004年)、『慶次郎縁側日記』(2004~06年)、NHK木曜時代劇・土曜時代劇『陽炎の辻』(2007~09年)、NHK-BSプレミアムBS時代劇『薄桜記』(2012年)、映画『大奥』(2010年)、『るろうに剣心』(2012年)、『沈黙』(2017年)、NHKドラマ10「大奥」(NHK、2023年)、オリジナルアニメ「REVENGER」(リベンジャー)(松竹・亜細亜堂・ニトロプラス、2023年)、映画『THE LEGEND & BUTTERFLY』(東映、2023年)など数多くの作品において時代考証を担当。 〔著作等〕『吉宗と享保の改革』(東京堂出版、1995年)、『享保改革と地域政策』(吉川弘文館、1996年)、『江戸の外交戦略』(角川学芸出版、2009年)、『徳川吉宗』(山川出版社、2012年)、『近世日本の統治と改革』(吉川弘文館、2013年)、『時代劇の見方・楽しみ方―時代考証とリアリズム』(吉川弘文館、2013年)、『新しい江戸時代が見えてくる―「平和」と「文明化」の265年』(吉川弘文館、2014年)、『今に息づく江戸時代―首都・官僚・教育』(吉川弘文館、2021年)など多数。 時代考証学会 2009年創設。会長は大石学(東京学芸大学名誉教授)。 時代劇メディアと地域の歴史との関係性を探り、所作、美術、建築など様々な専門領域が考証、指導、監修を通して、社会の復元を行っていることなどを解明。 編著書(いずれも大石学・時代考証学会編)に『時代考証学ことはじめ』(東京堂出版、2010年)、『時代劇制作現場と時代考証』(岩田書院、2013年)、『時代劇文化の発信地・京都』(サンライズ出版、2014年)、『戦国時代劇メディアの見方・つくり方』(勉誠出版、2021年)などがある。