東アジアの墓葬遺構からは、「買地券」と呼ばれる遺物が発見されることがある。
これは死者や遺族が、墓地を正当に購入したことを示す売買契約書であり、その多くは冥界の神々と結んだ契約なのである。
古代中国に源を発し、朝鮮半島や日本でもその遺例が発見されている「買地券」は、時代・地域により様々な特徴を有し、東アジアの文化交流史を考えるうえで貴重な資料である。
中国・朝鮮・日本に残る特色ある事例を多数のカラー図版とともに紹介、詳細な解説と釈文・現代語訳によって「黄泉の国との契約書」という不思議な存在を読み解く初めての書。
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