レイホウノブンカシ

霊峰の文化史

世界遺産・富士山と世界の山岳信仰
秋道智彌 著
ISBN 978-4-585-33005-9 Cコード 0039
刊行年月 2023年5月 判型・製本 A5判・並製 360 頁
キーワード 文化史,民俗学,宗教

定価:3,520円
(本体 3,200円) ポイント:96pt

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書籍の詳細
ヒトはなぜ山に祈るのか

信仰の対象とされ、さまざまな神話を持ち、その土地独自の方法で祀られる「霊峰」。
屹立する雪山や秀麗な裾野をもつ山、苔むす鬱蒼とした山中の幽谷、奇岩の露出する異形の山塊は、自然そのものへの感動と魅力以上に人びとを非日常の世界にいざなってきた。
神が自然物の山や大きな岩に宿るとする認識はどのようにして生まれたのか。
ヒトは山をみて何を感じ、山から受ける恩恵や災禍をどのように受け止めてきたのか。
世界遺産となった富士山、立山、白山などの日本の山のみならず、エヴェレストやキリマンジャロ、アグン、カイラス山、廬山、黄山など世界各地の「霊峰」と呼ばれる山やまを、多数の図版とともに解説。
ヒトが山に込める想いを解き明かす。

 

 

目次
はじめに
1 霊峰と霊性
2 祈りの多様性
3 名山と霊峰
4 世界遺産と霊峰
5 霊峰を評価する

第1章 山岳信仰と世界観
1 山と風土論
2 風土と水・火の思想
3 「気」の思想
4 超自然の形象論
5 聖地と霊場

第2章 アニミズムと霊性
1 山岳信仰とアニミズム
2 霊性とはなにか
3 生き物の霊性と仏性

第3章 山岳信仰の基層と民俗
1 山の民俗と領有
2 山と火・水・祖霊信仰
3 神奈備と磐座
4 「山の神」信仰の民俗
5 海と山岳信仰

第4章 修験道と山
1 修験道と役小角・最澄・空海
2 熊野三山
3 立山と白山
4 出羽三山と鳥海山

第5章 世界の霊峰をひもとく
1 古代インド・中国・朝鮮の山岳信仰
2 中国・朝鮮の霊峰
3 世界の七大霊峰
4 富士山と世界の富士
5 アジア・オセアニアの霊峰

第6章 日本の霊峰と山岳信仰の多様性
1 アイヌの山岳信仰と神送り
2 琉球列島の神と御嶽・グスク
3 東北の霊峰
4 関東・中部の霊峰
5 近畿以西の霊峰

第7章 山岳信仰の変容と持続性
1 民間信仰から国家祭祀まで
2 明治期の山岳信仰の実態
3 山岳信仰の類型論

さいごに

参考文献
索引(山名/人名/事項)
プロフィール

秋道智彌(あきみち・ともや)
山梨県立富士山世界遺産センター所長。専門は生態人類学、海洋民族学、民族生物学。
主な編著書に『魚と人の文明論』(臨川書店、2017年)、『交錯する世界 自然と文化の再構築 フィリップ・デスコラとの対話』(編著、京都大学学術出版会、2018年)、『たたきの人類史』(玉川大学出版部、2019年)、『絶滅危惧種を喰らう』(秋道智彌・岩崎望編、勉誠出版、2021年)などがある。

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