アジア遊学282
レットウノチュウセイジゲモンジョ

列島の中世地下文書

諏訪・四国山地・肥後
春田直紀 編
ISBN 978-4-585-32528-4 Cコード 1321
刊行年月 2023年5月 判型・製本 A5判・並製 272 頁
キーワード 日本史,室町,鎌倉,中世

定価:3,300円
(本体 3,000円) ポイント:90pt

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書籍の詳細
重なり、広がり、つながる文書群

中世の地域社会(地下)で生成され機能した「地下文書」。
東国諏訪の社家、四国山地の名主、九州肥後の大百姓・殿原など地域も伝来主体も異なる文書群を検討するなかで、中世地下文書の多様性を列島規模で把握しつつ、文書群がタテ・ヨコの関係で集積され伝来していった様相を原本調査の成果をふまえて描き出す。
さらに、金石文や仏像銘文といった紙以外の文字史料も地下の観点から再検討し、地下文書論の地平を広げる。

 

 

目次
序論:中世地下文書の階層性と地域性 春田直紀

第一部 諏訪
諏訪上社社家の文書群と写本作成 村石正行
大祝家文書・矢島家文書 岩永紘和
守矢家文書 金澤木綿
守矢家文書における鎌倉幕府発給文書―原本調査による正文の検証 佐藤雄基
戦国期諏訪社の祭祀・造宮と先例管理―大名権力と地下文書の融合 湯浅治久

第二部 四国山地
四国山地の中世地下文書―記載地名の分布と現地比定 楠瀬慶太
「柳瀬家文書」の成立過程 村上絢一
土佐国大忍荘の南朝年号文書―「行宗文書」正平十一年出雲守時有奉書を中心に 荒田雄市
菅生家文書―阿波国に伝わった南朝年号文書 池松直樹
南朝年号文書研究の新視点―「後南朝文書」との比較から 呉座勇一
中世阿波の金石文から地下文書論を考える 菊地大樹

第三部 肥後
肥後の地下文書―肥後国中部を中心に 廣田浩治
中世肥後の大百姓文書―舛田文書と小早川文書 春田直紀
「免田文書」の基礎的考察 小川弘和
人吉盆地の地下文書と景観復元―免田文書と段丘・洪水・棚田 似鳥雄一
『野原八幡宮祭事簿』について 柳田快明
地域史料としての仏像銘文―熊本市・立福寺跡観音堂の大永二年銘千手観音菩薩立像をめぐって 有木芳隆
プロフィール

春田直紀(はるた・なおき)
熊本大学大学院人文社会科学研究部教授。専門は日本中世史(生業論・史料論)。
主な著書に『日英中世史料論』(編著、日本経済評論社、2008年)、『中世地下文書の世界―史料論のフロンティア』(編著、勉誠出版、2017年)、『日本中世生業史論』(岩波書店、2018年)などがある。

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