維新からわずか半世紀の間に、本の形は目まぐるしく変化した―
幕末明治期、米欧からもたらされた諸種の技術や制度は、書物の世界にも大きな影響を与え、和装本から洋装本への転換が進んでいった。
しかし、その道程が一筋縄で行くものでなかったことは、いまに残された書物の驚くべき多彩な製本形態からも伺うことができる。
近代初期洋装本の解体調査・書誌調査から見えてくる製本の裏側、和装から洋装へと移行する過渡期の書物のあり様を具に検討することにより、日本における洋装本定着の端緒を明らかにする。
※2022年3月10日(木)~2022年7月10日(日)に市谷の杜 本と活字館にて開催され、コアな書物ファンに大好評を博した「100年くらい前の本づくり」展を誌上再現!