人びとは何を読み、どのように学んできたのか――
古代・中世の日本において、書物を読み、解釈し、伝えていくことは、限られた人びとにのみ許される特権的な営みであった。
特に中国大陸ないしは朝鮮半島経由で伝えられた漢籍(漢語で書かれた書物)は、国家を支える政治や法、さらには思想や文化体系を伝える最先端のものとして重要視された。
中国の文化全般を学ぶことを目的としたこれらの学問―漢学―は、国家の制度のなかにも位置付けられ、それを担う家では、書写・刊行された諸種の漢籍を入手し、独自の学問を形成していった。
書物に残された注釈の書き入れ、来歴を伝える識語、古記録や説話に残された漢学者の逸話など、漢籍の読書の高まりをいまに伝える諸資料から古代・中世における日本人の読書の歴史を明らかにする。
貴重資料の図版収録点数総50超!
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本書ではじめてフルカラー公開する資料
『清涼山伝』
『文選集注』巻七断簡
『文選集注』巻百十一断簡
金澤文庫本『文選集注』巻六十一残簡
「佐保類切」『施氏七書講義』断簡
「佐保類切」『施氏七書講義』残簡
「道徳経切」『老子道徳経』断簡