道元禅師(1200~1253)の語録として主要な撰述著作は和語による『正法眼蔵』であることは周知の事実である。
しかし、それとは別にその説法説示を漢文体で十巻に編纂されたものが、通称『永平広録』と呼ばれ、道元の語録として存在していることは、『正法眼蔵』ほどには知られていない。
本書では、原本『祖山本 永平廣録』(全十巻)の正確な「訓読」と「訳」を提供する。また、その語句に対する「語義注釈」、「出典考証」、各項の解説、さらに語義の詳細にわたる「補注参究」、本書に関連する「基本的原典」等の関連書ならびに関連項目の小論・解題等も収載した決定版。