三井大坂両替店が近世から明治初期にかけて残した顧客の信用調査の全貌を明らかにする貴重資料!
三井家の元祖・三井高利は、江戸呉服店開業ののち、呉服の仕入れを円滑にするために、為替・両替・融資業務を担当する両替店の設置を進めた。
江戸を皮切りに、京都、大坂へと版図を広げた両替店成功の背景には、「果たしてその顧客に融資し、確実に回収できるのかどうか」を判断するための信用管理システムがあった―。
これまで全貌が明らかにされてこなかった、享保17年(1732)から明治2年(1869)まで欠年なしで残された三井大坂両替店の信用調査書(「日用留」、「日用帳」、「聴合帳」)を翻刻し、参照・検索しやすいようデータベース化して収載。
調査対象件数は実に3,108件、複数人が連印で借入を希望した場合も多々あり、それらを含めると調査対象人数は3,825名にも及ぶ。
大商人から借家人に至るまで、大坂両替店の手代が入念に調べた顧客の提供担保(所有する家屋敷や品物)や年齢、家族構成、人柄、業種、家計(経営)状態を知ることができる必備のレファレンスツール。