チュウカゲンソウ

中華幻想

唐物と外交の室町時代史
橋本雄 著
ISBN 978-4-585-22013-8 Cコード 1020
刊行年月 2011年4月 判型・製本 四六判・上製 332 頁
キーワード 交流史,東アジア,室町,中世

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

 品切 
書籍の詳細
室町・戦国期日本の国際意識(コスモロジー)を解明する

明皇帝から「日本国王」に冊封された、歴代の室町将軍たち。 彼らは素直に中国の華夷秩序を受け入れたのか? 伝統的な日本の《中華意識》は本当に消え失せてしまったのか? 
唐物に当時の《中華》イメージを探り、外交の現場から幕府の対外観をあぶり出す。言説・伝説の世界を逍遙し、文化史や美術史の成果とも切り結ぶ、まったく新しい対外関係史。

 

 

目次

Ⅰ 室町殿の《中華幻想》
   ―足利義満・義持期を中心に
  はじめに
  義満の冊封関係成就を見直す
  室町文化は唐風の文化か
  おわりに
Ⅱ 渡唐天神説話の源流と流行
  渡唐天神説話とは
  渡唐天神説話における授衣のプロットと
   大宰府の伝衣塔
  崇福寺円爾宛無準師範尺牘写をよむ
  「錦の法衣」と夢の授衣と
  応永年間の渡唐天神像流行
Ⅲ 皇帝へのあこがれ
   ―室町殿コレクションと《皇帝の絵画》
  室町殿行幸と《皇帝の絵画》 
  「日本国王」義満と義教
  《皇帝の絵画》のイメージを探る
Ⅳ 大内氏の唐物贈与と遣明船
  はじめに
  大内氏から幕府将軍家への唐物贈与
  遣明船事業の展開と大内氏の負担
  おわりに
Ⅴ 『善隣国宝記』箚記
  『善隣国宝記』の概要
  『善隣国宝記』撰述の経緯と瑞渓の対外観
  『善隣国宝記』における「日本国王」号批判
  『善隣国宝記』の史料的特質
  『善隣国宝記』の原本復元という課題
Ⅵ 永楽銭の史実と伝説
  出土銭のなかの永楽銭
  中国銭輸入略史
  「日本国王」足利義満の「貨幣発行権」?
  永楽銭をめぐる伝説(一)
   ―仲方中正「永楽通宝」揮毫説
  永楽銭をめぐる伝説(二)
   ―「模鋳永楽銭=東国の公定貨幣」説
Ⅶ 朝鮮国王使と室町幕府
  朝鮮国王使に対する警固と「把截」のシステム
  朝鮮国王使に対する京郊地域での「支待」システム
  朝鮮国王使に対する「日本国王」の外交儀礼
  仮想の朝貢使節
プロフィール

橋本雄(はしもと・ゆう)
北海道大学大学院文学研究科准教授。専門は日本中世史、とくに中世後期の国際関係史・文化交流史。

書評・関連書等

・「読売新聞」(2011年7月17日)の「本よみうり堂」にて、紹介されました(評者:前田耕作(和光大学名誉教授))
・「信濃毎日新聞」(2011年6月19日)の読書欄にて、紹介されました。
・「北海道新聞」(2011年6月5日)の書評欄にて、紹介されました。
・「東京新聞(中日新聞)」(2011年5月15日)の書評欄にて、書評が掲載されました(評者:早島大祐(京都女子大学))。

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『中華幻想』訂正表

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