造園学・日本語学研究者待望の必読書
『作庭記』は、平安時代の寝殿作庭園に関する意匠・技法を理論的に論じた日本最古の庭園書である。当代の禁忌に関する記載も豊富で、日本の歴史や文化を知るための恰好の史料でもある。また、和漢混淆文による本文は、当時の辞書に記載のみられない特殊な用語含め豊富な語彙数をもち、日本言語文化研究においても欠かせない資料である。
本書は、谷村家所蔵『作庭記』上巻・下巻二軸(昭和十三年貴重図書複製会の影印複製本)の本文を影印し、それに見合う翻刻と詳細な現代語訳・注釈を付したものである。本文の表記・仮名遣い・語彙の詳細な分析を行った論考も収録。