『Dictionarivm Latino Lusitanicvm’,’ ac Iaponicvm,天草版ラポ日対訳辞書』は1595年(文禄4)に天草でイェズス会宣教師によって刊行された。『日葡辞書』1603年刊に先んじること8年、イェズス会師による初期日本語研究の集大成として記念碑的意味を持つ900頁余の大冊である。しかし日本語研究のために利用するには、ラテン語の見出し語にたいしてポルトガル語とローマ字綴りの日本語の順に記載されているため、日本語を検索するのがきわめて困難である。そこで金沢大学法文学部国文学研究室の学生たちが高羽五郎教授の指導の下に二十年の歳月をかけて共同作業で完成させたのが『ラホ日辞典の日本語 本文編 索引編』計11冊である。その刊行にも昭和45〜48年までの六年余を要した。本文編7冊は、翻刻としてラテン語の大見出しの順に従いローマ字表記日本語のすべてと、その判読結果を示している。索引編4冊では、ローマ字綴り日本語とその判読を示し、同一日本語の所在一覧を示して検索を可能にしている。