イチジョウカネヨシノガクモントムロマチブンカ

一条兼良の学問と室町文化

田村航 著
ISBN 978-4-585-22048-0 Cコード 3021
刊行年月 2013年3月 判型・製本 A5判・上製 336 頁
キーワード 古典,室町,中世

定価:10,450円
(本体 9,500円) ポイント:285pt

 品切 
書籍の詳細
室町文化の歴史的特質を政治と学問との関わりの中に探る

諸学に通暁し、「日本無双の才人」と評された一条兼良。
古典学・有職学をもって権門と結びついた兼良の学問のあり方をその著述から探り、室町期の政治と文化の潮流のなかに捉えなおす。
また、室町期の文化的特質である「伝統」と「革新」という相反する文化潮流の並存が、17世紀前半に至り統合・変容していく様子を論じ、史学史上における「室町」の位置づけを再検討する。

 

 

目次
序論 一条兼良の生涯と室町文化

第一編 一条兼良の古典学
 第一章 一条兼良の注釈の深化―『伊勢物語愚見抄』をとおして―
 第二章 『尺素往来』の成立
 第三章 『若気嘲弄物語』の一条兼良作について―女性観と『伊勢物語』観の検討をとおして―

第二編 一条兼良の有職学
 第一章 『公事根源』の一条兼良作について
 第二章 一条兼良の朱子説受容―『礼記』をめぐって―
 第三章 『江次第桃花御談義』の成立―附翻刻―

第三編 室町文化の諸相
 第一章 『伊勢物語肖聞抄』の成立―宗祇の『三体詩』の受容をとおして―
 第二章 和漢のさかいをまぎらかす事―「心の文」の一句―
 第三章 心を付けて感ずべし―『等伯画説』の一節―
 第四章 本阿弥光悦の政治思想と『太閤記』

補論 内藤湖南の日本文化論―「京都学派」の再検討―

結論 室町文化の「二面性」とその終焉

あとがき
索 引
おわりに
索 引
プロフィール

田村航(たむら・わたる)
昭和43年東京都に生まれる。平成3年学習院大学文学部史学科卒業。平成12年学習院大学大学院人文科学研究科史学専攻博士後期課程修了。博士(史学)。現在、明治学院大学非常勤講師。
主要著書・論文に、『日本古代史年表』(下)(東京堂出版、2008年、共著)、『看聞日記と中世文化』(森話社、2009年、共著)、「昭和十年代の西田哲学―柳田謙十郎の教学官就任問題をめぐって―」(『学習院大学史料館紀要』第12号、2003年、のち、学術文献刊行会編『日本史学年次別論文集』「近現代分冊」朋文出版、2006年に再録)、「禁闕の変における日野有光―後光厳院流と崇光院流の確執―」(『日本歴史』第751号、2010年)などがある。

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